県保健福祉部は、解体工事が進む旧国立水戸病院(水戸市東原)の北側に立地している県立水戸看護専門学院(核医学研究センターなどを含む)の解体撤去を計画している。敷地は約0・71ha、建物はRC造4階建て延べ4928㎡規模。このほど県議会へ提出した今年度9月補正予算案に解体撤去事業費として1億4038万5000円を計上しており、議決を得て、来月から解体工事に着手したい意向。今年度内には解体撤去を終える予定だ。
一方、旧水戸病院と水戸看専の跡地(合計約4・35ha)の利用策については、地元や水戸市などの考えも踏まえながら有効利用を図る方針。
水戸看護専門学院は、国立水戸病院の開院などに合わせて、昭和47年度に建設。敷地は約0・71haで、建物は9棟で構成され、規模はRC造4階建て延べ4928㎡。
水戸看専は、「桜の郷」整備事業(茨城町)によって旧水戸病院が移転し水戸医療センターとなったことに伴い、昨年4月に中央看護専門学院(友部町鯉渕)に統合された。現在は使用していない。
旧水戸病院の敷地と水戸看専の敷地の合計約4・35haは、平成13年7月に県が「桜の郷」の県有地を水戸病院側に貸し付け、15年1月には移転先用地と旧病院用地の交換契約を結んだため、現在は県有地となっている。
病院側(水戸医療センター)では、移転後に旧病院の建物を解体撤去し県に引き渡すことになっており、今年3月末から(株)フジタの施工で解体工事を進めている。
一方、県でも県議会の議決を得て、来月から解体工事に着手したい意向。解体撤去は今年度内には終える予定。
旧水戸病院と水戸看専の跡地利用については、地元や水戸市などの意向を踏まえながら有効活用していく方針。
水戸市では、跡地利用策について、地域生活を支援する機能、活力やにぎわいを創出する機能、生活関連機能などの導入を県に要望している。具体的には医療・健康増進施設、コミュニティ育成型居住施設などを想定。
また、地元からは県議会に、跡地に関する請願が提出されている。請願では、病院は旧水戸高等学校の跡地に建てられたもので、その跡地は歴史上からも水戸市が確保すべきと指摘している。
また、水戸病院の移転に伴い、周辺住民による病院利用の不便を考えると、市の中央に位置する病院の必要性を強く感じるため、跡地利用策として<1>水戸協同病院など医療機関の誘致<2>教育文化センター(生涯学習センターや図書館、美術館などの複合施設)の建設-を提言している。