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山梨県甲府市

濁川や藤川など10河川/来年度県予算編成で要望/甲府・南ア・甲斐など5市

2005/12/13 山梨建設新聞

 甲府市、南アルプス市、甲斐市、北杜市、山梨市の5市は、来年度の県予算編成に対し濁川、藤川、高倉川の改修整備の促進(甲府市)、坪川の改良整備・景観形成と北沢川の改良整備(南アルプス市)、六反川・東川・坊沢川と亀沢川、貢川・鎌田川の早期改修(甲斐市)など10河川の改修等整備促進を要望している。災害を未然に防止し、住民の生命・財産と生活基盤を守るため各市を流れる河川の整備促進と、河川環境の保全、快適な水辺空間の創出を図ろうとするもの。

 同要望は、甲府市が濁川、藤川、高倉川の改修整備の促進、南アルプス市が坪川の改良整備および景観形成と北沢川の改良整備、甲斐市が六反川・東川・坊沢川と亀沢川、貢川・鎌田川の早期改修、北杜市が釜無川右岸(牧原・三吹地内)の護岸整備、山梨市が平等川河川改修整備の促進。

 甲府市の要望は、濁川について市街地の中を流れる省路橋から上流は、河川幅の狭小、護岸の老朽化、幾重ものクランク状の形態等から、度々溢水による被害が発生しているため早期に改修すること。また、藤川は、背後の周辺山側地域から多量の雨水流入により、短時間に河川水位の上昇が起き、境橋から下流は溢水や内水排水が不能となり、常習的に床上浸水の被害が発生しているため早期に改修すること。このほか、城東5丁目の河川幅の狭小部および国道411号に架かる高倉橋が障害となり溢水し浸水被害が発生しているため早期に改修することをそれぞれ求める。

 南アルプス市では、坪川の改良整備と景観形成について、河川上流の護岸等整備がされていない箇所が多く、集中豪雨時には危険が伴う可能性があるため、早期に改良整備するとともに、堤防敷を利用して住民の憩いの河川とする要望が多いことから、併せて景観形成事業を促進すること。また、集中豪雨などによる河川の反乱を防ぐため北沢川を改良整備することを要望。

 甲斐市では、六反川・東川・坊沢川について、これら河川が近年の流域沿いの土地利用の急激な変化により、河川床には土砂が多く堆積し、集中豪雨による浸水・冠水等により周辺住民生活に支障をきたしており、また、現状の通水面積では最大出水時には、住民に危険が伴う可能性があり、内水排水が速やかに図れるよう河川改修(主に浚渫)整備すること。また、同市の北部山間地を流れる亀沢川は、急流で川幅が狭く湾曲しており、至る所に大きな岩や岩盤が張り出し、極端に狭い箇所も多くある。このため、台風・大雨の際にしばしば氾濫を起こし、近年では平成12年の集中豪雨時に周辺の家屋や農地が流失する被害が生じているため、河川管理および周辺住民の生命財産保護のためにも早期に改修(主に床固工の設置)を行うこと。このほか、貢川・鎌田川の流域沿いは、土地利用の変化により近年、急激な宅地化が進んでいるが、河川護岸は老朽化し通水断面最大出力時には危険が伴う可能性があるため、流域沿線の現状を考慮しながら通水断面の確保・親水性レクレーション空間のある沿岸整備など早期に改修することを求めている。

 北杜市は、釜無川右岸(牧原・三吹地内)の護岸整備を要望。昭和34年の台風災害は、武川町にとっては忘れることの出来ない未曽有の災害だった。今では、国、県の支援により河川の整備は、ほぼ安心できる状況となったが、釜無川については一部の箇所で無堤防の箇所があり、増水時には災害の危険性があるため早急に整備をすることを要望。

 山梨市は、平等川について護岸の老朽化や河川幅の狭小のため、大雨等による増水により付近の家屋・畑等への冠水被害等が発生しており、今後、西関東連絡道路の路面排水を流入させる計画もあることから、早急に改修整備を行うことを要望した。



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