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要害温泉を新規許可/浴用利用で来年1月末着工/見環境保全審議会

2005/12/16 山梨建設新聞

 第15回県環境保全審議会(会長=中村文雄・山梨大学名誉教授)は甲府市内で15日開き、(1)温泉法に基づく掘削および動力装置の許可と(2)廃棄物総合計画(素案)の概要について審議し、いずれも原案通り承認した。このうち、温泉関係では(有)要害温泉の新規掘削1件と、(有)ファースト、昭和町、(株)花伝の動力装置3件を許可相当する一方、(株)イリックスの増掘を不許可相当とした。県では、これらを踏まえ申請者に近く結果を通知する予定。

 (有)要害温泉(甲府市上積翠寺町1003)の新規掘削は、敷地内での計画で温泉施設の浴用に利用する。ロータリー式で1500mの掘削を予定しており、来年1月末の着工と同年4月末の完了を計画。

 動力装置を申請の(有)ファースト(笛吹市石和町川中島97-1、石和クレアマンション313号)は、甲府市上阿原町字整理地354-1地内にあるマンション、フィットネスクラブへの配湯を目的に、毎分1リットルと自噴量(泉温37・8度の単純温泉)が減少したことから、水中モーターポンプ(おかもとOPDH6-50-3、7-13)を設置するもの。動力3・7kw、揚湯量毎分200リットル、揚程33・1mの規模で、今月からの着工と来年1月末の完了を予定している。

 同じく動力装置を設置する昭和町は、中巨摩郡昭和町押越字氏神954-3地内で昨年8月24日に許可のあった温泉(泉温49・9度のナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉)が自噴しなかったことから、水中モーター(おかもとOPDH4-50-2、2-13)を設置する。動力2・2kw、揚湯量毎分200リットル、揚程10mの規模を予定し、来年1月10日の着工と同3月31日の完了を計画していく。

 また、(株)花伝(山梨市矢坪1669-18)は、同市矢坪大沢三1669-41地内で昨年8月24日に許可が下り掘削した温泉(泉温41・4度アルカリ性単純温泉)が自噴しなかったため、水中ポンプ(おかもとOPDH6A-50-22-53)を設置するもの。動力22kwで、揚湯量毎分200リットル、揚程420mの規模で、年内の着工と来年1月末の完了を予定している。

 一方、(株)イリックス(甲府市中央1丁目12-36)は、浴用として温泉湧出路確保のための増掘で同市中央1丁目221の2地内のホテルの浴用と足湯への利用を計画。同温泉は、昭和34年に許可されたが現在では自噴量がゼロとなったため、さらに250mの増堀を申請したもの。しかし、同審議会の温泉部会では、同温泉の1k以内に現在使用中の源泉が6箇所、未利用の源泉が13箇所もあり、周辺源泉への影響が懸念されることから、不許可相当とした。

 このほか、平成22年度までの計画で年度内の策定を予定している廃棄物総合計画(素案)の概要が説明された。発生抑制、再資源化、減量化、最終処分の各事項で課題が示され、排出量が全国では減少しているのに本県では4・5%も増加しており発生抑制が急務であることや、リサイクルの徹底や減量化、最終処分場の県内確保を進めていく。さらに、市町村の合併が来年3月で一段落する状況をふまえ、一般廃棄物処理施設の広域化を推進するため、「ごみ処理広域化計画」の見直しを検討することが示された。



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