旧白沢村と旧利根村との合併後初となる沼田市長選で、再選を果たした星野已喜雄市長の2期目がスタートした。「政治には◇判断力◇責任感◇情熱--の3点が必要である」と述べ、同市を『水と緑の大地』へと導く施策に意欲を示す星野市長に、公共事業への考えや今後の入札制度等を聞いた。
--今の心境と抱負をお聞かせ下さい
選挙時には、多くの市民の方々の支援を頂き、大変感謝し感激している。この感激を生かし、新市建設計画を新総合計画に移し替え、すみやかに実施することと同時に安心・安全、教育や福祉、環境などを一体的に捉え協働させていきたい。
--選挙時に地域を回って感じたことは
改めて、この沼田市は広いと感じた。そのため、光が当たらない地域が出てくるとの懸念もあることから、実際に足を運び、様々な意見を取り入れていきたいと考えている。
--公共事業に対する考えをお聞かせ下さい
建設業は、当市の基幹産業の1つである。故に、市民生活の利便性及び安定を図るための社会資本整備の充実は不可欠であり、公共事業の必要性は常々認識している。長期に渡り、景気の低迷が続いている中で、国レベルにおいては緩やかであるが、回復の兆しも見えてきた。しかし、地域経済は未だ景気回復の実感がつかめない状況であり、依然として市の財政事情は厳しい。そのような中、本当に市民が必要とするものを最優先とするべく、事業の取捨選択をして実施していく所存である。
--電子入札導入について
今年度、電子入札の実施予定はない。県は、段階的(工事は18年度が1億円以上、19年度が5000万円以上、20年度上期が2000万円以上、20年度下期が1000万円以上、21年度には全て)に移行するが、当市においても段階的に移行させていく方針だ。そのため、市と業者との模擬入札などの実証実験を今年度に行う意向で、その結果を踏まえ、土木一式及び建築一式工事を始め、19年度から順次移行できればと考えている。
--今後の入札制度について
4月から制限付一般競争入札の対象枠を土木工事においては5000万円以上を3000万円以上に、建築工事においては1億5000万円以上を1億円以上に拡大した。この拡大により、本年度の予定は7本と前年の2本を大きく上回ることとなった。今後も今年度実施結果により来年度以降も更なる拡大を行うか検討していく。
--小規模登録制度については、どのように考えているのでしょうか
この制度は、弱者対策という面からすると必要かと思われるが、建設業が当市の基幹産業の1つであるため業者数が多い。また、財政事情もあり、公共工事の件数も少なくなっている現状である。そのため、労力等を費やし入札参加資格申請を行い登録した業者であっても、1年間指名がないことも現実にある。このような現状の中で、小規模登録制度を実施することは苦労した者が報われないということが懸念される。当市においては、30万円未満の工事を未登録業者に発注できる制度がある。したがって、30万円以上130万円未満の工事については、入札参加資格登録業者に発注するようにしていると共に、30万円未満の工事は、未登録業者に発注できるため、現在のところは制度の必要性はないと考えている。
--今後、予定している大型事業は
沼田小学校管理棟校舎増改築工事を始め、沼田駅前整備、市道沼田川田線道路改良工事、市道根岸小芝線道路改良工事、池田公民館改修工事などがある。また、駒寄追貝原地区農道整備事業や林道改良事業(石戸線、真菜板倉線、青木輪久原線)、城堀川緑地整備、南原ふれあい公園整備などを予定している。
--今年度に基本計画策定費を計上した市営住宅建替事業は
上位計画となっている『沼田市住宅マスタープラン』及び『沼田市市営住宅ストック総合活用計画』に基づき、老朽化している団地について基本計画や配置計画等を盛り込んだ市営住宅建替基本計画の策定を予定している。
--建設業界への提言及びメッセージをお願い致します
発注者としては、地元業者の育成に配慮しながら、市民生活に必要な社会基盤整備の推進に向けて今後も入札制度の基本である『透明性の確保』『公正な競争の促進』『不正行為の排除』『適正な施工の確保』が更に図れる発注を行っていきたい。一方、受注者としての建設業界においても入札制度の趣旨及び市の財政事情を十分理解の上、入札に参加し、工事の品質確保に向け、企業努力による高点数の工事成績評定結果となるような施工をお願いすると共に、今後の建設業界の更なる発展を期待している。