記事

事業者
千葉県八街市

都市計画区域の整備、開発及び保全の方針/八街都市計画(八街市全域)(1)

2006/04/24 日刊建設タイムズ

【主要な都市計画の決定の方針】

 1)土地利用に関する主要な都市計画の決定の方針

 <1>主要用途の配置の方針

 a商業地

 東日本旅客鉄道八街駅(本区域の顔、玄関としての機能)、東日本旅客鉄道榎戸駅(新しい住宅地の拠点機能)の2つの駅を拠点として、商業、業務、関連サービスなどの都市機能の配置を図る。

 東日本旅客鉄道八街駅周辺は都市核として、本区域の顔となる高度な都市機能(商業、業務、公共、サービス等)の形成を図る。

 東日本旅客鉄道榎戸駅周辺は、都市副次核として、新しい都市型住宅市街地の顔としてふさわしい都市機能(商業、公共・公益、サービス等)の形成を図る。

 b住宅地

 都市核を取り巻く周辺の住宅市街地においては、市街地形成の状況に合わせ、公共施設、公園・緑地の配置、市街化の誘導・規制等の方策などを行い、良好で質の高い市街地形成を図る。

 東日本旅客鉄道八街駅周辺地区では、既成市街地の改善、修復、環境整備、進行市街地における面的な整備、民間開発の規制・誘導などにより、都市型の高質な住宅市街地の形成を図る。

 東日本旅客鉄道榎戸駅周辺地区では、東日本旅客鉄道榎戸駅を中心として本区域の先導となる新しい住宅市街地等の面的な整備を進める。

 <2>土地利用の方針

 ア土地の高度利用に関する方針

 本区域の主要な拠点地区である東日本旅客鉄道八街駅周辺地区は、商業業務機能を始めとする諸機能の集積を図るため、面的整備事業を導入し都市施設の整備充実を図り土地の高度利用に努める。

 イ用途転換、用途純化又は用途の複合化に関する方針

 東日本旅客鉄道八街駅周辺では現在、工業系の施設が立地しているが、中心市街地の拠点としての機能拡充、また、本区域の玄関口・顔としての高度な都市機能の形成を図るため、用途転換及び駅前市街地としての整備を図る。

 ウ居住環境の改善又は維持に関する方針

 市街地の住宅地については、都市基盤施設の整備を推進するとともに、未利用地の計画的宅地化の誘導、地区計画等により、良好な居住環境の形成を図る。

 また、工業施設の立地が進んでいる周辺市街地については、生産環境や商業環境との調和を図りつつ、居住環境の保全を図る。

 エ都市内の緑地又は都市の風致の維持に関する方針住宅地は、宅地内に緑を少しでも増やしていくことにより快適な住宅地景観及び環境を形成していく。商業地は、関係機関と連携をとりつつ緑化を進めるとともに、小スペースを活かした緑化を進める。工業地、産業開発地は、周辺環境に配慮した緑化を進めるとともに、緑化に関する支援制度の導入を検討していく。

 また、本区域を代表する緑である農地及び谷津の緑を保全するために、農業振興地域農用地及び保安林、地域森林計画対象民有林により市街地周辺の農地及び南部の農地、防風林、谷津の樹林、水田の保全を図る。

 オ優良な農地との健全な調和に関する方針

 東日本旅客鉄道八街駅、榎戸駅市街地周辺を除く区域の一団性を持つ農地は、本区域にとって貴重な優良農地であり、今後とも農業振興地域農用地として保全を図り、農業生産基盤整備を進める。

 カ自然環境形成の観点から必要な保全に関する方針

 良好な自然環境を形成している市街地周辺の農地及び南部の農地、防風林、谷津の樹林、水田は都市的土地利用と調整を図りながら、適正に保全を図る。

 キ計画的な都市的土地利用の実現に関する方針

 東日本旅客鉄道八街駅、榎戸駅周辺の市街地を除く区域は、自然環境や農業的環境との調和を図りつつ、良好な生活環境の整備を行う。

 2)都市施設の整備に関する主要な都市計画の決定の方針

<1>交通施設の都市計画の決定の方針

 a基本方針

 ア.交通体系の整備の方針

 県内他地域や県外地域との連携・交流を促進するため、広域幹線ネットワークとして首都圏中央連絡自動車道、銚子連絡道路等の整備を推進する。

 また、都市計画道路の整備促進や拡充を図るとともに、国県道の整備を進め、地域全体の回遊性を高め、内部交流の充実を図るため、地域内の主要幹線ネットワークの形成を図る。

 バス交通を充実し、駅へのアクセスや地域の拠点間の移動などの利便性の向上を図る。特に、高齢者をはじめ自己の交通手段を持たない人たちの機動性、動きやすさを確保するための福祉バスや地域循環バスなどの充実に努める。

 観光地などに集中する自動車の渋滞や、排気ガスなどによる地域環境への影響を低減するため、広域道路ネットワークを活用した高速バス路線の整備や、鉄道の利便性の向上など公共交通ネットワークの拡充を図り、移動の手段の切り替えを進めるとともに、環境に配慮した利便性に優れた地域イメージを醸成する。

 また、都市部に位置する鉄道駅では駅前広場の整備を進め、エスカレーターの設置など交通結節点としての乗り換えの利便性の向上や、バリアフリー化を推進する。

 上記の広域的な交通体系整備の方針を踏まえ、本区域の交通体系の整備の基本方針は、以下のとおりとする。

 ・広域交通軸を踏まえた都市交通軸の強化

 本区域の北部に東関東自動車道・佐倉IC、富里IC、南部に千葉東金道路・山田ICなどの広域交通軸が整備されていることを踏まえ、成田、つくば等の周辺核都市をはじめ、首都圏を含む広域的な交流・連携が期待されている。このため、広域交通軸と連携する都市交通軸の強化を図る。

 ・都市の利便性と一体性を高める生活軸(補助幹線道路)の体系的整備

 都市内においては県道のバイパス整備により、交通環境の改善が期待されているが、今後さらに、これらのバイパスや既存道路網、都市交通軸を活かした体系的道路整備により、都市拠点や都市全体の一体性を高め交通環境の向上を図る。

 また、交通結節点としての東日本旅客鉄道八街駅・榎戸駅は今後の市街化の進展に対応して、ターミナル機能の充実と利便性の向上を図る必要があり、総合的なまちづくりの観点から整備を図る。

 ・歩行者に優しく、憩いの空間としての道づくり

 様々な立場の歩行者への配慮や街並みの重要な景観要素としての視点から、歩行者空間の充実やコミュニティ拠点の相互のネットワーク化により、質の高い道づくりを推進する。

 ・公共交通環境の維持・改善

 今後の市街化や高齢化の進展により、公共交通需要がさらに高まるものと予想されるため、東日本旅客鉄道総武本線やバス交通の維持・輸送力増強及び市内循環バスの充実を図る。

 イ.整備水準の目標

【道路】

 都市計画道路については、平成13年度末現在、幹線道路網密度(用途地域内都市計画道路整備済延長/用途地域面積)は約0・1km/k㎡が整備済みであるが、主要幹線道路、幹線道路を合わせ、おおむね20年後には3・5km/k㎡程度になることを目標とする。

 b 主要な施設の配置の方針

 ア.道路

【主要幹線道路】

 ・都市計画道路3・4・3号八街・神門線

 広域的な都市間道路、また、本区域中心部の東西方向の主要な骨格道路として拡充整備を図る。

【幹線道路】

 ・都市計画道路3・3・2号大関・榎戸線、都市計画道路3・4・4号榎戸・八街線

 都市、地区の骨格を形成する路線区間を、本区域の都市軸の形成に向け整備を図る。

 ・都市計画道路3・4・5号松林・文違線、都市計画道路3・4・10号六区・大関線

 中心市街地への通過交通の排除や慢性的な交通混雑の緩和に貢献する国道409号バイパス、八街バイパスの拡充整備を図る。

 ・都市計画道路3・4・6号榎戸駅前線

 本区域の都市核形成の実現に向け、東日本旅客鉄道榎戸駅周辺地区の区画整理事業に関連し、市街地内路線区間の整備を図る。

 ・都市計画道路3・4・9号金毘羅線

 都市の骨格を構成する都市交通軸として、鉄道北側の市街地を連携する道路として配置し、整備を図る。

 ・都市計画道路3・4・11号八街北側駅前線

 東日本旅客鉄道八街駅北口及び周辺市街地の骨格を形成する道路として配置するとともに区画整理事業に関連し、整備を図る。なお、北口に駅前広場を設け、駅舎の橋上化・南北を結ぶ自由通路を合わせて整備を図る。

 c主要な施設の整備目標

 おおむね10年以内に整備を予定する施設等は、次のとおりとする。

▽道路・駅前広場=都市計画道路3・4・3号八街・神門線、都市計画道路3・4・9号金毘羅線、都市計画道路3・4・10号六区・大関線、都市計画道路3・4・11号八街北側駅前線、八街駅北口駅前広場

 <2>下水道及び河川の都市計画の決定の方針

 a基本方針

 ア.下水道及び河川の整備の方針

 本区域では未浄化の生活排水の排出により、流出先である鹿島川、高崎川、作田川、真亀川等の河川、用水路等の汚濁への対応が大きな課題となっている。また、今後、市街化の進展が予想されることから、居住環境の保全・向上の面における公衆衛生の保持、安全で快適な生活環境の確保がより一層求められている。

 このような状況を踏まえ、今後の市街化の進展や土地利用動向に対応し、生活環境の改善・向上、公共用水域の水質保全、浸水の防除を図り、健全で安全な都市環境の確保に努める。



紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら