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地下鉄8号線(有楽町線)の茨城延伸を要望/期成同盟会が県に

2007/02/28 日本工業経済新聞(茨城版)

 地下鉄8号線(都市高速鉄道東京8号線、有楽町線)の千葉県野田市から茨城県西南部への延伸誘致に向けた活動を展開している「地下鉄8号線建設促進並びに誘致期成同盟会」(会長・根本崇野田市長)および「東京直結鉄道建設・誘致促進連絡協議会」(会長・高梨兵左衛門野田商工会議所会頭)は26日、「都市高速鉄道東京8号線の延伸誘致に関する要望書」を橋本昌県知事へ提出。根本野田市長は、着実に進む現在までの進捗状況を説明するとともに「建設促進へのお力添えと延伸について、ご支援をお願いしたい」と県の協力を要請した。

 今回の要望では、8号線の野田市から茨城県西南部方面への延伸について、次の首都圏地域のマスタープランを策定する交通政策審議会の答申に位置付けられるよう、県の支援を求めている。

 26日の要望活動には、会を構成する埼玉県東南部・千葉県北西部・茨城県西南部地域の各地元市町村の首長や議会議長、商工会会長など関係者が水戸市笠原町の県庁舎を訪れ、山口武平県議会議員が同席のなか、橋本知事へ8号線延伸誘致の理解と協力を求める要望書を提出した。

 8号線延伸に関して、これまで平成12年1月に運輸政策審議会の第18号答申で、東京8号線の野田市に至る区間が平成27年度までに整備を推進すべき路線として位置付けられた。

 これを受けて、同盟会では、12年度に事業化に関する基礎調査を実施、引き続き、13・14年度に事業化検討調査を実施するなど、8号線八潮~野田市間の先行整備の早期事業化を目指している。

 根本野田市長は、課題として①埼玉県内ルートの早期一本化②補助率③民間との連携-を列挙。

 ルートは15年度に「レイクタウンルート」に決定されたこと、補助率については、17年度に地下鉄補助並みの補助率となる都市鉄道利便増進事業費補助が創設されたこと、民間との連携では関係市町の商工会議所・商工会で組織する「東京直結鉄道建設・誘致促進連絡協議会を組織し、官民一体となった答申区間の建設促進および野田市以北への延伸誘致に向けた運動を展開するなど、着実に事業が進んでいることを強調した。

 要望を受けて、橋本知事は「具体化しつつあるとの話を聞き、同盟会および協議会のご尽力に敬意を表した。本県でもTXが開業して、その影響は想像以上に大きく、8号線が延伸されれば地元の市町村は大きな変貌を遂げ、21世紀の各自治体への効果は多大」と期待感をのぞかせた。

 さらに、「地道に、しっかり要望を続けていくことが目的達成への近道。本県としても、建設・誘致促進に向けて、きちんと対応して一緒にやっていきたい」と話した。

 地下鉄8号線は、昭和60年の運輸政策審議会で東京の豊洲~亀有までの延伸が適当とされ、亀有以北は新設を検討すべき区間とし、武蔵野線方面への延伸が計画された。

 同盟会が平成7・8年に行った調査によると、八潮~野田間で常磐新線と相互直通運転を行うとの前提で、建設費2200億円~2600億円を試算。開業後29年に黒字転換を見込んでいるという。

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