日本ログハウス協会(東京都港区赤坂、井戸淳次会長)は11日、世界初のログハウス実大振動実験を、つくば市の(独)土木研究所で行った。当日は会員やプレスなど約160人が出席。大型振動台に国産杉材2階建てのログハウスを設置し、巨大地震レベル(阪神・淡路大震災クラス)の振動実験を数回にわけて実施。ログハウスが、特別な施工なしに制震構造を備えていることが実証された。
これまでログハウス(丸太組工法)は、阪神・淡路大震災、新潟中越地震などの大型地震で倒壊したという事例がなく、過去の事実から地震に強い構造物であることが証明されてきた。
今回、世界でも初めてとなるログハウスの実大振動実験を実施することで、ログハウスが耐震性能に優れた建物であることを実証し、ログハウスの耐震性能等級の取得を目指すもの。
国のログハウスの耐震性能検証事業として一部補助を受け、総事業費に約7000万円を投じて事業を進めている。
実験当日は、土木研究所の三次元大型振動台に、躯対サイズ7・28m×7・28m(ノッチ含まず)の国産杉材2階建て(角型プレーンログ材)を設置。
㈱アールシーコアの吉田忠利氏が概略とスケジュールを説明し、実験がスタートした。
まず、60gal(加速度単位)の中地震レベル(震度5程度)を、X方向、Y方向からそれぞれ30秒程度で加振し、そのあと細かい振動でステップ加振。
続いて、阪神・淡路大震災の神戸海洋気象台波に匹敵する、巨大地震レベル(震度6~7程度)で実施。X方向に617gal、Y方向に818gal、Z方向に332galをそれぞれ加振し、さらにステップ加振も行った。
その後、ログハウス内外の状況を確認。
最後に、実験結果の講評を武蔵工業大学の大橋好光教授が説明し、「ログハウスが想定以上に地震に強い」と感想。
さらに、検討委員会の坂本功委員長、日本ログハウス協会の井戸淳次会長がそれぞれあいさつした。
【写真=(上から)つくば市の(独)土木研究所で行われた実大振動実験、実験は三次元大型振動台に載せて行われた】