「市川海岸塩浜地区護岸検討委員会」(委員長・遠藤茂勝日本大学教授、委員18人)の第18回委員会が25日、習志野市の県国際総合水泳場で開催された。同委員会では、護岸バリエーションについて検討した。バリエーションは今年8月ごろまでに絞り込み、12月ごろまでに実施計画を決定し、09年度から遊歩道、海岸に降りる階段、テラスなどに着工する予定。
護岸改修工事は、潮浜2、3丁目地先の約1700mを対象に実施し、このうち、老朽化の著しい潮浜2丁目地先の約900mを先行整備する。同地先では、今年度分の工事として来月から護岸工約716mに着工する。これにより900m部分の工事が概成する。このため、護岸概成後に整備する捨石階段や島、テラスなどの位置や形式などについての検討を開始した。
護岸のバリエーションについては、遊歩道の設置、木製階段、自然石を利用したシンボルゾーン、捨石を用いた展望デッキの形成、自然環境学習ゾーンの配置などについて検討。従来のアンケート結果などから、利用区域と非利用区域を区分し安全を確保することや、バリエーションで形状に変化を持たせる転落防護柵の設置、浅場をつくる安全対策などについての案が提案されている。今後はさらに検討を進め、護岸の構造イメージなどを固めていく。
後背地では、市川市がまちづくりマスタープランや土地利用計画をまとめており、これらとの調整が必要となる。後背地の面積は約80haあり、これを1-3期に分けて整備する計画で、09年度から1期12haに着手する準備を進めている。
市川地区塩浜護岸は、市川2期埋め立て計画により将来護岸前面が陸域になるとの前提で施工されたもので、高潮護岸に必要な構造となっていない。また、埋め立て後、長期間を経て老朽化が進み、陥没事故などが発生し危険な状態にある。
このため、「三番瀬計画」及び「東京湾沿岸海岸保全計画」を踏まえた安全で健全な護岸計画を策定するため、検討委員会を設置し検討することになった。