国土交通省は建設コンサルタント業務の再委託が不適切に行われないよう、本年度から承諾手続きを厳格化する。同省は、設計業務等共通仕様書1127条(再委託)で規定されている「簡易な業務」に対する見解の相違が受発注者間にあることを認識。「簡易な業務」の項目を減らし、それ以外の再委託については発注者の承諾を得ないと契約違反になることを、受注者に周知徹底する。
設計業務等共通仕様書1127条は、1項の部分で、受注者が第三者に委任または請け負わせてはいけない「主たる部分」を示している。具体的には①設計業務などにおける総合的企画、業務遂行管理、手法の決定および技術的判断など②解析業務における手法の決定および技術的判断―としている。
再委託問題で焦点となる第2項では「受注者は、コピー、ワープロ、印刷、製本、計算処理、トレース、資料整理、模型製作などの簡易な業務の再委託にあたっては、発注者の承諾を必要としない」と規定している。
国交省は再委託厳格化の観点から、2項で示されている項目の数を減らすことにした。この措置により限定列挙されたもの以外で、勝手に再委託が行われれた場合は契約違反とし、受注者にも周知徹底していく。
また土木設計業務等委託契約書第7条(一括再委託等の禁止)では、受注者が業務の一部(軽微な部分を除く)を第三者に委託または請け負わせようとする時は、あらかじめ発注者の承諾を得なければならないと規定されている。
同省では再委託厳格化の一環として、承諾に関する再委託額の、契約額に対する割合について上限値を設定する考えを持っている。今後具体化するもよう。
コンサル業務再委託の厳正な取り扱いについては、4月1日付で各地方整備局長に出された、20年度直轄事業の入札契約執行通達の中でも明記されていた。