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神奈川県横浜市

市内の米軍基地/最近一年間の返還に向けた取り組みなど

2008/07/23 日本工業経済新聞(神奈川版)

 横浜市はこのほど市内にある米軍基地の現状と、返還に向けた取り組みを収めた「平成二十年横浜市と米軍基地」をとりまとめた。施設毎の現況、最近一年間を中心とする取り組みについて記されている。

 横浜市内の米軍施設は、瀬谷区と旭区に跨る二四二㌶の上瀬谷通信基地など七か所、面積四七六㌶に加え、二地区の水域からなっている。最近の施設を巡る状況は、十六年に日米の合同委員会において、上瀬谷通信施設、深谷通信所、小柴貯油施設の返還、富岡倉庫地区、根岸住宅地区、池子住宅地区及び海軍補助施設(横浜市域)の飛び地、池子住宅地区におけるおよそ七百戸の住宅建設が決まり、合意され、十七年十二月に旧小柴貯油施設が返還されている。

 最近、一年間では、返還された旧小柴貯油施設は、南関東防衛局が土壌汚染調査に着手する一方、市において三月に都市公園(開港百五十周年の森)として整備する旧小柴貯油施設跡地利用基本計画を策定したうえ、五月にパブリックコメントを実施し、市民からの意見を募った。

 深谷通信所は、五月に跡地利用提案公募のための実行委員会を設立し、二十八日に戸塚区及び泉区の児童を対象に利用法を考えるワークショップを開催するほか八月十九日にアイデアコンペの第二回実行委員会を開催する。

 根岸住宅地区では、六月に民間土地所有者との懇談会を開催した。今秋にも第二回を開く予定だ。

 一方、住宅建設が計画されている池子住宅地区及び海軍補助施設(横浜市域)では、十九年八月に建設主体の横浜防衛施設局(当時)から基本構想が示されたものの、次のステップにある基本設計案及び、環境アセスメントの手続きなどについて報告は受けていない。以下、跡地利用等は次のとおり。

 ▽根岸住宅地区(中区簑沢、南区山谷、磯子区上町など)=四三㌶、民間土地所有者との組織づくりを支援

 ▽池子住宅地区及び海軍補助施設(金沢区六浦町)=三七㌶

 ▽富岡倉庫地区(金沢区富岡東二丁目・鳥浜町)=三㌶、市有地との一体活用と産業振興機能導入など

 ▽鶴見貯油施設(鶴見区安善町)=一八㌶

 ▽横浜ノースドック(神奈川区瑞穂町、鈴繁町、千若町二丁目)=五五㌶

 ▽深谷通信所(泉区和泉町・中田町)=七七㌶開港百五十周年記念国際アイデアコンペの実施

 ▽上瀬谷通信施設(瀬谷区北町、瀬谷町、旭区上川井町)=二四二・二㌶、環状4号線の八王子街道交差箇所の早期整備




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