主要地方道市原天津小湊線改良期成会(会長・本多利夫鴨川市長)の08年度総会が、このほど鴨川市の黒潮荘で開催された。総会では、日蓮聖人生誕800年祭が2021年に実施されるため、①同改良事業の完遂を2020年までとすること②首都圏と地方を結ぶ連絡道としての役割を担う国道465号の未改良区間の解消は2020年まですること、の2項目を決議。今後、関係機関に要望していく。
今年度の事業計画では、市原天津小湊線坂本工区及び国道465号の未改良区間の早期完成と、君津市黄和田畑地区及び鴨川市四万木地区の狭あい個所の早期解消を関係機関に陳情する。また、総会の議事後に安房地域整備センター及び君津地域整備センターから事業についての説明が行われた。
君津地域整備センターでは、君津市黄和田畑で事業を実施する。昨年度までは道路改築事業で事業を実施していたが、今年度からは新たに地域自立交付金事業を活用して事業を進める。事業期間は08-11年度の4か年で、総事業費2億8000万円を投入し、延長約300mを整備する。今年度は事業費3500万円で用地測量と用地買収を実施し、一部排水路、仮設防護柵などに着工する。
同地先では普通自動車のすれ違い困難個所が多く、急峻な地形も加わり十分な待避所も整備できていない。また、急峻山地を通過していることから防災点検での要対策個所が多く、異常気象時での通行止め指定区間となっている。
全体3.8㎞のうち、昨年3月までに鴨川市側(1工区)の1㎞の整備を完了し、国道465号(2-1工区)の1㎞区間のうち、とくに幅員の狭い黄和田畑トンネルまでの300mの拡幅整備を行う。
一方、安房地域整備センターは、地方道路交付金で坂本工区、地域自立活性化交付金で鴨川市四方木地先の道路改良工事を実施する。坂本工区では、2号橋の上部工(1径間分)の発注を予定。四方木地先の道路改良工事は約80mの施工を予定している。
2号橋の架設場所は鴨川市坂本地先で、谷津部に架かるループ橋。規模は橋長約192.05m、総幅員8.0m(車道2車線)。上部工の形式は鋼5径間連続箱桁橋。下部工は橋台がラーメン式橋台(A1、A2)、橋脚が円柱式橋脚4基(P1-P4)。基礎は深基礎で、橋台部分がφ250㎜。詳細設計は近代設計(千葉営業所:千葉市中央区新田町7-16)が担当。
以下、決議文の内容は次の通り。
【市原天津小湊線改良期成会決議】
主要地方道市原天津小湊線は、県中央部と外房地域を南北に結び、国道465号、さらには圏央道に結ばれ、その沿線は地域の発展に欠かすことのできない、産業、経済、観光等の地域に密着した重要な基幹道路としての役割を担う、大いなる意義を有している。
このため、本路線の整備を求める地域の熱意は強く、今日まで多くの進展がみられたものの、依然として危険個所、狭あい個所等が多く、交通需要に追随できない状況にある。
さらに近年、低迷する経済状況、財政難等による事業の遂行が憂慮に耐えない状況にあるが、厳しい状況下であるため、一層の県土の経済回復のためにも、社会基盤である道路整備は、長期的な視点にたってより一層推進することが必要不可欠であるとするものである。そのため、次の事項について特段の配慮がなされるよう決議し、要望するものである。
▽千葉県の生んだ偉人、日蓮上人誕生800年祭が2021年に実施されるため、主要地方道市原天津小湊線改良事業の完遂は2020年までとすること。
▽首都圏と地方を結ぶ連絡道としての役割を担う、主要地方道市原天津小湊線と国道465号の未改良区間の解消は2020年までとすること。