7月20日に行われた『構造設計一級建築士』の修了考査の結果が発表された。合格者数は全国で5983人。今月11日に発表された設備設計一級建築士の2319人を大きく上回る結果となった。設備設計一級建築士と同様に、合格者数は地域ごとに大きなバラつきが出ている。
改正建築士法(11月28日施行)で創設された新資格「構造設計一級建築士」の資格取得には、一級建築士として5年以上構造設計業務に従事したあとに国土交通大臣認定の登録講習機関による講習を修了することが義務付けられている。
現在は施行前の段階だが、登録講習機関による「みなし講習」として資格取得に有効なものと認められている。
今回行なわれた「みなし講習」は(財)建築技術教育普及センターが6月から7月にかけて全国8地域で実施。修了考査は7月20日に行なわれ、9月24日付けで合格者数が発表された。
講習は構造設計の総論、基礎各論などの「建築物の構造に関する科目」と、法適合性確認の「構造関係規定に関する科目」の2種。
すでに構造計算適合性判定資格を保有する場合は、一部を除いた講義およびすべての修了考査が免除される。また「みなし講習」に限り、建築構造士、構造専攻建築士、APECエンジニア(建築構造技術者)の資格を保有する場合は一部の講義・修了考査が免除されている。
今回行なわれた修了考査の受験者数は9745人。このうち全科目受講者は7689人、免除者は2056人だった。
合格者数は全科目受講者が2261人で修了率29・4%、免除者は1423人で同69・2%。すべての修了考査を免除された構造計算適合性判定資格者の2299人を含めて全体では5983人で同49・7%だった。
講習が行なわれた地域別の合格者数は▽北海道127人▽宮城241人▽東京3181人▽愛知579人▽大阪1177人▽広島253人▽福岡401人▽沖縄24人となった。
今回修了判定を得られなかった受講者には、11月2日に再考査が行なわれる。
改正建築士法により、21年5月27日以降に設計される建築物は、構造設計一級建築士による設計または構造規定への法適合性確認が義務付けられる。対象となる建築物は木造の場合は高さ9mまたは軒高9m以上、S造は4階建て以上、RC造は高さ20m以上となっている。