成田市は、新清掃工場整備及び運営事業で実施方針案を公表した。事業方式は、設計・施工する民間企業に稼働後の運転管理を長期責任委託方式により包括的に管理させる「公設民営方式」を採用。発注は、建設工事だけでなく建設後の運営管理システム構築にまで活用する「性能発注方式」とする。
今月1日から20日までの期間で市民から意見を募集中で、意見募集後の来月に実施方針を決定し、12月に入札を公告、来年2月に落札者を決定し、仮契約・基本協定を締結する。その後、3月議会に契約案件を上程し、契約後、来年4月の着工を目指す。完成引き渡しは11年6月を予定し、同年7月から供用・運営業務を開始する。工事費は05-11年度の7か年継続費115億4018万円を設定済み。このほか、運営費については別途、12月議会で予算計上する予定。
また、同事業に伴い、今月3日から環境影響評価準備書の縦覧が始まる。期間は来月4日まで。縦覧場所は成田市環境計画課及び県環境政策課。知事への意見書の提出期間は今月13日まで。
新清掃工場は、成田市が富里市と共同で既存工場の隣接地に整備する。敷地面積は約3万7000㎡。施設能力は日量212t(106t/24h×2炉)。処理方式はガス溶融炉(シャフト方式)。
また、工場の隣接地には、成田市が単独で余熱利用施設を整備する。施設の規模は2階建て延べ約5320㎡で、プールや多目的室、売店、浴室、露天風呂などを配置する。昨年度で基本設計を実施し、今年度で実施設計を委託する。
以下、実施方針案による事業の概要は次の通り。
【施設の概要】
▽名称=(仮称)成田市・富里市新清掃工場
▽立地場所=千葉県成田市小泉344番地1ほか
▽規模=106t/24h×2炉(212t/日)、1日24時間連続運転で年間280日の稼働日数を基本とする。
▽処理方式=ガス化溶融炉(シャフト式)
▽処理対象=市(成田国際空港の区域を除く)及び富里市の区域内で発生する一般廃棄物のうち可燃物、2市の不燃物処理施設で発生する不燃残さ、市浄化センターで発生するし尿焼却灰、その他新清掃工場での適正処理が必要と認められる一般廃棄物
▽建築物等=工場棟・管理棟など
▽その他=各種公害防止設備、再生資源物(メタル・スラグ)の一時貯蔵設備、蒸気タービン発電設備、場内での余熱利用設備、近接する温水プール等余熱利用施設への熱源供給設備
▽施設管理者=成田市長
【事業の目的】
本事業は、一般廃棄物を適正に処理するため必要となる新清掃工場を周辺環境と調和するよう整備するとともに、公害の発生を可能な限り防止するなど安全で安心な運営とすることを目的とする。
【事業の概要】
本事業は、市が事業者として選定した企業もしくは企業グループ(以下「受託者」という。)に、新清掃工場の整備に係る工事を発注し、受託者の責任ある体制のもと完成後20年間(別に定める施設・機器に係る性能保証期間を含む)にわたり新清掃工場の適切かつ確実な運営を受託者に委託する。工事における受託者と運営における受託者は必ずしも同一とは限らないが、いずれの受託者においても責任企業として、別に定める市の入札参加条件に適合し、かつ、24時間連続運転でガス化溶融炉(シャフト式)の整備及び運営に関して日本国内での実績を持つ企業を選定する。