横浜市は一日、都市計画道路四路線、国道拡幅事業について、効率性や透明性の向上を目的に採用している事業実施前に市民からの意見を募り、実施の判断を下す「事前評価の手続きを開始した。
このほど事前評価の手続きを進めるのは、都市計画道路の横浜藤沢線(栄区)、環状3号線(戸塚区~泉区)、大田神奈川線(神奈川区)、東京丸子横浜線(港北区)に国道1号拡幅(保土ヶ谷区)の五路線。道路局では工事延長、幅員、事業費、費用効果などを示した評価調書を道路局ホームページや、市役所などで公表している。同局などでは三十一日までに意見を募り、寄せられた意見に対する考え方を示すとともに、参考にしながら次年度以降の予算案に盛り込む。
横浜市の公共事業事前評価は、総事業費二十億円以上が見込まれるものを対象に、平成十六年度から行っているもので、事業の必要性や、効果などを公表し、市民から意見を募ることにより、事業の透明性を一層向上させるとともに、事業の重点化を促し、限られた財源の効率的・効果的な執行を目的としている。以下、五路線の事業概要は次のとおり。
▽都市計画道路横浜藤沢線整備飯島地区(栄区飯島町~長尾台町)=延長一、二二〇㍍を新設する。幅員三二㍍、四車線で関連街路(下永谷大船線)の新設及び現道拡幅、延長五六〇㍍、幅員一八㍍、二車線の整備も行う。二十一年度~二十八年度事業予定期間。総事業費二百三十六億円(用地費六十二億円、工事費約百七十四億円)で、整備によって、高速横浜環状南線及び横浜湘南道路栄インターチェンジからの自動車交通の流入、流出を担う
▽都市計画道路環状3号線整備汲沢・中田地区、中田地区(戸塚区汲沢町~泉区中田西一丁目)=延長三、二五〇㍍を新設する。幅員二二㍍、四車線、二十一年度~三十二年度事業予定期間、総事業費百十五億円(用地取得費八十六億円、工事費二十九億円)。横浜伊勢原線や国道1号を結ぶ路線として、戸塚駅周辺などの市南西部における交通渋滞の緩和を図る
▽都市計画道路太田神奈川線整備西寺尾地区(神奈川区西寺尾一丁目~神之木町)=延長七二〇㍍の現道拡幅。幅員二〇㍍、四車線、二十一年度~二十八年度事業予定期間、総事業費五十億円(用地費四十三億円、工事費七億円)、国道15号から高速横浜環状北線の馬場インターチェンジを連絡する重要な区間として、アクセスの向上及び交通渋滞の緩和とともに歩道整備を行い、歩行者の安全性の向上を図る
▽都市計画道路東京丸子横浜線整備箕輪地区、綱島地区、樽町・太尾地区(港北区箕輪町一丁目~大豆戸町)=延長三、〇八〇㍍のの現道拡幅、幅員二〇㍍、四車線、二十二年度から三十三年度事業予定区間、総事業費百二十二億円(用地費百一億円、工事費二十一億円)、環状2号線から川崎市境に至る、東急東横線に平行し、各駅にアクセスする重要な区間として、未整備区間を現況二車線から四車線に拡幅改良することによって、環状2号線へのアクセスの向上及び交通渋滞の緩和を図るとともに、歩道を整備することにより、歩行者の安全を図る。
▽一般国道1号拡幅保土ヶ谷橋工区(保土ヶ谷区岩井町~保土ヶ谷町二丁目)=延長八〇〇㍍の拡幅、幅員二五㍍、五車線(上り三車線、下り二車線)、二十一年度~二十七年度事業予定区間、全体事業費四十億円(用地費二十五億円、工事費十五億円)。市内でも特に交通が集中し、慢性的な渋滞が発生している保土ヶ谷橋交差点付近から国道16号保土ヶ谷バイパス狩場インターチェンジ整備区間について、道路拡幅及び交差点改良を行うことで交通流の円滑化を図る