記事

事業者
その他記事(民間)

国内4番目の高さ/五重塔完成で竣工式/身延山久遠寺

2008/11/06 山梨建設新聞

 身延山久遠寺の五重塔が完成し5日、竣工式を行った。当日は工事関係者を初め、全国から多くの参拝者が詰めかけた。五重塔の建設にあたっては、同寺に残る文献「身延山諸堂記」に基づき、伝統技術と最新工法を融合させ復元。設計・監理を財団法人文化財建造物保存技術協会(東京都文京区)、施工は大成建設(東京都新宿区)、木工事は金剛組(大阪府大阪市)、漆・彩色・仏具工事は翠雲堂(東京都台東区)が請け負った。

 五重塔は、高さ39mで、国指定文化財の木造五重塔と比較すると国内4番目の高さを誇る。基礎工事は、重さ約300tにも及ぶ塔を支えるため、耐震性を十分に考慮しながら、入念な地層調査を実施した。地上18m下まで掘削し直径1・1mの杭を4本打ち込んだ。山側の強い地盤まではグラウンドアンカーによって基礎部分を緊結させた。基礎部分はより強固にするため、マットスラブ(コンクリート耐圧盤)工事を実施した。

 また、柱礎石は北杜市白州町の大武川から出来るだけ平らな花崗岩を使用、心柱も身延山からヒノキ、スギ、ケヤキ、マツなどを切り出した。その後、集められた木材は製材所で宮大工らによって組立に必要な加工をしている。

 竣工式では、身延山久遠寺総務の井上瑞雄氏が「平成18年3月17日の地鎮祭以降から、一切の魔障にさわることもなく、順調に進められたことを感謝している。来年2月26日には五重の塔の本仏の入仏遷座式、同5月13日から5日間は落慶式を盛大に挙行する。身延山の五重塔が全世界に向けて御題目発信基地のシンボルになることを願っている」とあいさつした。五重塔は江戸時代初期に創建され、明治の大火で焼失。133年ぶりに再建された。


【写真=復元された身延山久遠寺五重塔】


②久遠寺001065.JPG

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら