臼田トンネル工事現場で古型マンモスと見られるゾウ化石発見! 23日に現地で行われた記者発表に際し、長野国道事務所の渡邉義臣所長は「夢を運ぶ中部横断道の工事で、お宝が出てきたことは今の時代に明るいニュース。道路とともに、歴史的な地域資源として活用していきたい」と語った。
現場からは、ほぼ完全な形の左上顎第3大臼歯のほか、下顎第3大臼歯と切歯(牙)の破片が採集された。説明にあたった野尻湖ナウマンゾウ博物館の近藤洋一学芸員によると、「臼歯の形態が板状の歯の形をしているのでゾウ科の化石であり、100万年前から110万年前に生息した古型マンモス(マンモス属)の可能性が高い」と言う。体高は2m50cmから3mで、重さはおよそ4tと推定している。
同学芸員は「県下では古型マンモスが見つかった例はない。しかも、臼歯と切歯がまとまって見つかったケースも日本ではほとんどなく、古型マンモスの研究には貴重な資料」として、「今後は地質調査を進め、コラーゲンを抽出して研究を進めたい」話していた。
化石が採集されたのは、佐久市側のトンネル入口から約200mの地点。渡邉所長は「ここを通る次世代の子供たちに、この現場を是非見ていただきたい。希望があればいつでも開放する」と話していた。
順調に行けば、臼田トンネルは来年2月に貫通となる見込み。