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山元トンネルが貫通/全面開通へ一条の光/日沿道

2008/12/27 新潟建設新聞

 日本海沿岸東北自動車道(日沿道)区間で建設中の「山元トンネル(仮称)」が25日、貫通した。地域住民や工事関係者ら約120人が見守る中、掘削機が残る壁を壊すと、まぶしい光が差し込んだ。歓喜に沸くなか、貫通式が執り行われた。

 日沿道は新潟と青森を結ぶ延長約320kmの高規格道路。県内では中条~朝日間の約30kmを整備しており、国交省北陸地方整備局の新潟国道事務所が、このうち荒川~村上間の約11kmを新直轄方式で整備している。

 「山元トンネル(仮称)」は同区間の村上市下助渕に位置し、全長228m。日沿道では新潟県内唯一の山岳トンネルだ。施工地は丘緩性の地形で構成され、全線で土被りが3・5~21・0mの低土被り(1・5D以下)が連続している。今年7月から工事を開始し、24時間体制で掘削してきた。

 当初はトンネルではなく山を切り開く方法で整備を進めていたが、弥生時代の山元遺跡が発見され、遺跡保護のため急きょ施工方法を変更。遺跡の地層を地盤沈下させない対策を取りながら、通常掘削工法に、水平長尺鋼管先受工(AGF工法)、長尺鏡補強工(FIT工法)、フォアポーリング工法の補助工法を加えて施工を進めた。工期は平成21年3月下旬の予定。

 式では、国交省羽越河川国道事務所の平賀和文所長が「トキめき新潟国体の最後の追い込みで、地形・地質・工期とも厳しい条件だった。無事貫通したことを喜ばしく思う。今後も新潟国道事務所と協力して、全面供用に向け最大限の努力で応えていきたい」とあいさつした。

 稲葉大和衆議院議員は「工事の変更や遺跡を保護しながらの施工で難儀をされたと思うが、これまで無事故で順調に貫通に至った。住民の一人として本当に嬉しい。トンネル貫通は県北地域の一条の光。日沿道の開通・延伸に向けてがんばっていきたい」と祝辞を述べた。

 大滝平正村上市長は「貫通の瞬間に外の光が差し込んだとき、高速道路がやっと私達の地域に来たんだと感動した。地域にとって、貫通の先はまだまだ長い。24日には泉田知事とともに、国に要望を提示した。全面開通を目指しこれからも努力していく」とした。

 引き続き、貫通を祝した樽神輿担ぎ、鏡開きの後、万歳三唱で幕を閉じた。

【写真=貫通を祝って鏡開き(25日、村上市内)】

山元トンネル貫通式001912.JPG

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