県水道局は14日、新年度予算の概要を発表した。予算規模は、収益的支出が701億5600万円(対前年度当初比0.4%増)、資本的支出が436億2600万円(同11.3%減)の計1137億8200万円(同4.5%減)となる。資本的支出の内訳は建設改良費207億6300万円、拡張工事費88億5200万円、企業債償還金115億4200万円。
新年度の主要事業では、北総浄水場排水処理施設PFI事業に限度額82億4700万円(期間:09-30年度)の債務負担行為を設定するとともに、第二北総~成田送水管布設事業に09-16年度の8か年継続費37億9000万円を設定した。継続費の年度割は09年度2億1430万円、10年度5億3930万円、11年度6億2300万円、12年度6億1930万円、13年度5億8040万円、14年度5億5360万円、15年度3億7370万円、16年度2億8640万円。
北総浄水場の排水処理施設は、建設から30年以上を経過し老朽化していることから、設備を全面的に更新するとともに、PFI方式により施設の維持管理・運営を実施する。
昨年11月10日に実施方針を公表済みで、今月下旬に特定事業の選定結果を公表する予定。入札の公告は今年6月ごろを予定している。
事業の範囲は、排水処理施設に関わる設備更新等、施設全体の維持管理運営業務、浄水場発生土の再生利用、上澄水の返送業務など。事業規模は12万6000haの浄水処理に伴う排水処理。事業期間は20年間。事業方式はBTO方式(民間事業者が設備の更新後、所有権を行政に移転し、施設使用権を得て維持管理運営を行う方式)。
一方、継続費を設定した第二北総~成田線送水管布設事業は、北総浄水場(印旛郡本埜村竜腹寺向原296)から成田給水場(成田市吾妻1-22-4)の区間で、災害時の対応や送水管の耐震化、軟弱地盤対応などから新たにルートを追加し、管路を複線化する。追加するルートは、建設中の北千葉道路の下に埋設する計画で、延長は約13.1km(φ600㎜)を見込む。今年度はパシフィックコンサルタンツ(東京都多摩市関戸1-7-5)に委託し、基本設計を進めている。
このほかでは、配水管更新工事約23.3km、鉛給水管単独更新工事2万2500本などを予定している。
企業債については、財政状況を見極めながら借入を抑制し、経営の健全化をより一層進められるよう残高を圧縮する計画。これにより、09年度末の残高は今年度末の2153億8400万円から29億3000万円減少し、2124億5400万円となる見込み。
以下、新年度の主要事業は次の通り。
【より良質なおいしい水をいつでも安心して利用できる水道】
▽浄給水場の老朽化した施設設備等を計画的に更新することにより、良質な水道水の安定供給に努める(総事業費37億2100万円)=①柏井浄水場施設設備更新12億3500万円②北総浄水場施設設備更新9億300万円③北船橋給水場施設設備更新5億4400万円、など
▽給水の安定化や配水区域間の水の相互融通を図るため、送配水管を整備する。また、老朽化した配水管の計画的な更新や、国・県及び市町村の行う公共工事に際して支障となる既設管の移設等を行う(総事業費99億7300万円)=①送配水管整備工事13億6300万円②配水管更新工事(布設延長23.3km)40億2600万円③公共関連等配水管整備工事45億8400万円
▽配水本管から分岐する鉛給水管をポリエチレン管に更新し、水道水の安全性を高めるとともに漏水を防止する=鉛給水管単独更新工事(2万2500本)68億700万円
▽蛇口での残留塩素の低減化を図るため、水質自動監視装置設備工事等を行うほか、おいしい水づくりに向けた各種施策を継続して展開する(総事業費3億6800万円)=①水質自動監視装置整備工事2億4100万円②塩素多点注入基礎調査委託等6000万円など
【経営基盤の強化】
▽年賦未償還残高の縮減と後年度における支払利息の節減を図るため、年賦償還金の繰上償還を行う年賦償還金の繰上(償還総額11億7000万円)
▽民間ノウハウを活用した施設運営による経営の効率化のため、老朽化した北総浄水場排水処理施設の更新は、PFI事業による実施を検討している=北総浄水場排水処理施設PFI事業700万円(建設費等に係る債務負担行為分82億4700万円)
【お客様に、より一層信頼される水道】
▽県営水道の未普及地区のお客様の要望に応えるため引き続き配水管の整備を進め、水道の普及促進に努める=未普及地区配水管布設工事(布設延長15.5km)(総事業費8億5000万円)
▽基幹系ネットワークの維持管理などの情報化の推進による情報セキュリティーの適正な管理に努める(総事業費2億1800万円)=基幹系ネットワークの整備及び利用等9300万円、など
【地震等の非常時にも強い水道】
▽地震等の災害に備えるため災害用給水設備の整備を進める=浄給水場施設の給水設備の整備(総事業費5000万円)
▽耐震性強化のため、浄給水場の耐震化、管路の新設・更新工事を進める(総事業費4億7500万円)=①浄給水場震災対策1億4100万円②第二北総~成田線送水管布設事業2億1400万円(継続費総額37億9000万円)、など