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茨城県港湾課

茨城港港湾計画を策定/県地方港湾審議会で

2009/01/31 日本工業経済新聞(茨城版)

 きのう県庁で行われた県地方港湾審議会で、茨城港港湾計画の改訂が原案どおり答申された。昨年12月に日立港、常陸那珂港、大洗港の港湾区域が統合したことから、3港の計画をまとめて改訂したもの。3港のうち、常陸那珂港では中央埠頭と南埠頭の機能強化を図るほか、中央埠頭の用地確保、東防波堤や中央波除堤などの整備、北埠頭や中央埠頭の耐震強化岸壁、さらに中央埠頭、南埠頭、西部地区で緑地計画を進める。今後は計画書を国土交通大臣へ提出し、交通政策審議会港湾分科会(3月9日)で審議・答申を経て国土交通大臣から通知を受け、県報に概要を告示する方針だ。

 現在の計画では、用地の狭隘化や係留施設の不足などが顕在化しているほか、クルーズ施設の機能強化、大規模災害への対応、自然環境との共生や良好で快適な親水空間の確保などが求められている。

 それらを踏まえ、基本方針には「首都圏NEWゲートウェイ」の「北側ゲートウェイ」として、北関東地域の経済・交流活動の支援、東京湾岸地域の港湾物流機能などの一翼を担う役割を掲げた。

 さらに、3港が一体となった魅力ある『みなとまち』の形成を図りつつ、既存空間の有効活用、長期的展開に配慮した効果的、効率的な整備を進める方針。

 港湾計画の改訂は、平成30年代前半が目標年次。将来目標貨物量を3950万t(現計画4650万t)とした。なお18年実績は2260万t。

 改訂の主なポイントとして、▽北関東の物流・産業拠点港湾の形成▽東京湾沿岸地域の港湾物流機能▽魅力ある『みなとまち』の形成―を掲げている。

 まず「常陸那珂港区」では、中央埠頭で船舶の大型化に対処し産業機械の外貿RORO貨物などを取り扱うほか、南埠頭で外内貿の一般貨物を取り扱うため、公共埠頭計画の見直しと土地利用計画などを変更する。

 中央埠頭地区と南埠頭地区の公共埠頭の機能強化を図るほか、中央埠頭地区の港湾関連用地、工業用地の確保。東防波堤、中央波除堤などの整備、臨港道路を計画。

 また地震など、発災後の緊急物資の輸送、経済活動を維持するため北埠頭地区、中央埠頭地区の公共岸壁の耐震強化を図る。

 さらに、魅力ある『みなとまち』の形成に向けて、中央埠頭地区、南埠頭地区、西部地区における緑地計画を進める。

 一方「日立港区」でも、外内貿物流の機能強化と高度化に向けて第4埠頭地区の公共埠頭の機能強化を図るほか、第3埠頭地区の港湾関連用地の確保、沖防波堤などの整備を計画。そのほか第4埠頭地区の公共岸壁の耐震強化を図る。

 「大洗港区」については西防波堤などの整備を進め、航路、泊地などの埋設を防止する。

 また、魅力ある『みなとまち』の形成に向けてクルーズ拠点機能を強化。中央地区の公共岸壁の増深、航路の増深と拡幅、泊地の増深を実施する。

 そのほか、多様化する海洋性レクリエーション機能の充実を図るため、マリーナ地区の緑地計画を推進する方針だ。


【図=茨城港湾(常陸那珂港区)】

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