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神奈川県相模原市

相模大野駅~原当麻駅間で新しい交通システム/基本計画とりまとめる

2009/02/24 日本工業経済新聞(神奈川版)

 相模原市は、公共交通サービス向上などを目的に検討を進めている新しい交通システム導入に向けた基本計画をとりまとめた。小田急線相模大野駅から北里地区を経てJR相模線原当麻駅間で、一般道も走行可能なタイプのバスを走らせ、移動に伴う市民の利便性を向上させるもので、二十八年度の開業を目標にしている。市では二十日から、市民からの意見を募るパブリックコメントの手続きを開始した。

 新しい交通システムは、交通不便地域の解消や、道路の混雑緩和、将来のまちづくりに向け、中心市街地である小田急線相模大野駅と大規模なまちづくりの計画が立てられている麻溝台・新磯野地域を結ぶとともに、大学や病院、企業などが立地する地域のアクセス向上、主要地方道相模原町田線の道路混雑の緩和を図ることなどを目的に、相模大野駅からJR相模線原当麻駅間について検討を進めてきた。需要予測、環境負荷等、事業費、採算性、早期導入の視点からBRT(Bus Rapid Transit=幹線快速バスシステム)と呼ばれる、専用の走行路や優先信号などの組み合わせにより、速達性や定時性を確保した輸送システムを走らせることを決めた。BRTは将来、需要等の動向に応じたより輸送力の高い交通システムの移行も可能だという。

 BRTは拠点として位置づける相模大野駅を起点に、相模女子大学前の市道を通過し、都計道上鶴間町田線を利用しながら、構想路線の弥栄上鶴間線を経て、北里大学前の主要地方道相模原町田線を通り、麻溝台・新磯野地区から原当麻駅へ至るルートを運行する考えで、相模大野駅から途中の北里までは専用走行路を走り、そこから原当麻までは優先信号等の併用により一般道を走る。

 駅は途中、500㍍から1000㍍ごとに駅を設け、交通結節点となる相模大野、北里、原当麻の三駅は他の交通との乗り換え、待合環境の向上などからターミナル機能を持つ施設として整備する。市ではBRT開通により、バスでこれまで最大三十五分を要していた北里と相模大野間が十三分で行けると試算している。

 整備に当たっては、道路、車道や歩道を含め幅三〇㍍と想定する専用走行路、関連施設など市が補助制度などの活用を視野に入れながら二百八十五億円を投じ整備し、交通事業者が運行に当たるという枠組みで進める。

 今後は、二十八年度の開通目標に向け、都市計画手続き進めるとともに、関係者との合意形成、用地取得交渉に当たる。パブリックコメントは三月十六日まで市都市建設局まちづくり計画部小田急多摩線・新交通推進課で郵送、ファックス、Eメールなどで受け付けている。



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