川崎市はこのほど、中央卸売市場北部市場(宮前区水沢)の将来像を描いた「川崎市中央卸売市場中長期プラン基本計画(素案)」をとりまとめ、公表した。変化する生鮮食料品の流通、生産者と消費者側から求められる市場の役割、多様化のなか、老朽化した施設とともに、新たな市場機能が求められる状況にあるという認識の下、市場関係者らの意見を聞きながら策定作業を進めてきたもので、プランでは、川崎・横浜北部地域の供給圏人口の増大を背景に、市民生活に直結する広域型生活拠点市場としての役割を担うべく、施設整備などを進める方針を立てている。
中央卸売市場北部市場は昭和五十七年の開場で、一六万八、〇〇〇平方㍍の広さで、青果・水産物・花き・加工食料品を取り扱っている。
プランは、市場に新たな機能が求められていることや、施設の老朽化が進むなか、北部市場の今後の役割、市場機能のあり方などを明確にするとともに、市場の活性化を実現するための戦略や施設整備の方向性を示すことを目的に、策定された。
施設整備では、競争力強化を支えるため、納入・配送業務のための配送・加工機能の強化に対応する機能・施設の整備。配送施設や加工施設の整備への対応。多様化する冷蔵・冷凍施設の利用への対応などが求められるとし、民間活力の活用、公共用地の賃借方式ななどの制度化を用い、整備を進める方針を立てている。そのうえで施設ごとに整備の方向性を取りまとめている。
青果ゾーンでは▽コールドチェーンの対応=老朽化した保冷・冷蔵設備の更新、温度管理施設の再編、再配置を行い、温度管理の再配置により、物流機能の効率化などを行う▽荷捌きスペースの充実=スペース不足の解消や降雨対策を行い、効率的な荷捌きに対応
水産ゾーンでは▽流通の変化に対応した新機能への転換=施設や設備の新規導入、整備にあたっては、柔軟性の高い機能への転換を行う▽荷捌きスペースの充実=スペース不足の解消や降雨対策を行い、効率的な荷捌きに対応する▽温度管理施設の整備=老朽化した保冷・冷蔵設備の更新、温度管理施設の再編、再配置を行い、物流機能の効率化などを行う
花きゾーンでは▽流通ゾーンと来客ゾーンの機能分離=流通の変化に伴い、卸売事業者と仲卸事業者の機能に対応し、双方が必要とする機能への分離を図る▽店舗集約による賑わいの創出=中卸事業、関連事業者の店舗を集約することにより、来客の利便性向上に寄与するとともに、賑わいの創出を図る▽荷捌きスペースの充実=現状の荷捌きスペースの狭あいを解消し、卸、仲卸、関連の各々が必要とする機能の再編を行う。この他、場内のトイレ改修、動線の見直しを図っていく考えだ。整備に向けては、二十一年度内に基本計画を策定し、二十二年度に実施計画、二十三年度以降に段階的整備に着手するスケジュールを立てている。
市では、今回の基本計画について六月二十九日から市民からの意見を募るパブリックコメントの手続きを開始した。七月三十一日まで意見募集する。