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国土交通省北陸地方整備局(建設)

北陸地方整備局/前川秀和局長が就任会見/地元建設業者を育成/暮らしやすい地域づくりを

2009/07/16 新潟建設新聞

 国交省北陸地方整備局長に14日付で就任した前川秀和・新局長の就任会見が同日行われた。前川局長は、「暮らしやすさ日本一を実感できる地域づくり」に取り組むとの抱負を語るとともに、地元建設業者の健全経営に向けた支援の必要性を示した。前川局長は大臣官房技術調査課長として新たな入札・契約制度の構築に尽力してきたことから、今後は現場での適正な制度執行や地方自治体への説明・周知などの手腕に期待が掛かる。



 前川局長は、まず北陸地域について「様々な意味でポテンシャルが高い地域」との認識を示した。

 また、「ここ数年は水害、地震、豪雪など厳しい自然環境による災害に見舞われており、安全・安心を確保することが大変重要」とする一方で、「大変に美しい自然環境と豊富な資源があり、観光地としてもこれから益々有望になる」とし、「安全・安心な生活の確保を通じて、暮らしやすさ日本一を実感できる地域づくりに取り組んでいきたい」と抱負を語った。

 現下の厳しい経済情勢に対する認識では、これ以上悪くなることはないとの考えを示しながら「今の水準は決して高くなく、以前からすると低い水準にとどまっている。内需主導型の経済成長を図り、元の水準に早く戻すことが必要」と指摘。

 北陸地方整備局では上半期中の大幅な前倒し発注を実施しているが、前川局長は「地域の建設業育成を通じて経済対策の実効性を上げ、また建設会社のみならず経済対策の効果が関連の産業まで広く行き渡ることを目指して事業執行に努めたい」との考えを示した。

 国と地方自治体との関係性については「目指す方向が違っているわけではない。基本的には国と地方公共団体は一体的に仕事に取り組んでいくべき。特に経済危機対策への対応では連携が重要だろう」と強調した。


現場に軸足


 前職では、入札・契約制度の最前線で制度を構築していたが、今後は現場のトップに立つ。

 前川局長は「本省で見ている時と、実際の現場のトップとして見るのは違う。本省で作った制度が現場できちんと実行されているのかが重要」とし、「実際に自ら事務所に足を運んで現場の実態を把握し、職員から話を聞く。現場に軸足を置いていきたい」と意欲を見せる。

 また、地方自治体の入札・契約制度に関しては「まだまだ入札・契約制度に関して安ければ良いという意識が残っているところがあるのではないかと危惧している。ここ2、3年で変わってきたと思うが、単に制度を押し付けるのではなく、国の制度が『なぜ、こうなっているのか』という背景や考え方を含めて理解していただき、良い方向に向かうことができれば」と期待を寄せた。

 地元建設業に対する考え方としては「地域を支えている建設業者がそれぞれの地域に存在し、経営が成り立つことが重要。発注にあたっては、地域の建設業に出来るだけ配慮することや、多様な選択肢の提示、様々な支援制度を活用して、努力する人を応援できれば」との見解を示した。




 [略歴]

 まえかわ・ひでかず

 昭和30年3月6日生まれ。石川県出身。

 東京大学工学部卒業後、昭和52年4月に建設省採用。以来、北陸地方整備局金沢工事事務所長、本省道路局企画課道路経済調査室長、関東地方整備局道路部長、同企画部長などを歴任し、平成18年7月から本省大臣官房技術調査課長を務めた。

 北陸での勤務は3度目。趣味は特にないが、「北陸で見つけたい」としている。



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