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東京都にも要望活動を/中央東線高速化期成同盟会が総会

2009/07/23 長野建設新聞

 JR中央東線の高速化を目指して昨年設立された中央東線高速化促進期成同盟会(会長=横内正明山梨県知事)は21日、平成21年度定期総会を山梨県や長野県をはじめ沿線市町村や商工会議所など関係団体らの会員100人余が参加し松本市内のホテルで開催された。


 総会の冒頭に挨拶に立った会長の横内山梨県知事は(写真)、昨年の陳情・要望でトンネル区間の携帯電話不感区間の解消が21年度予算で措置されたこと、また降雨による運転休止が多い路線対策で、今年5月に防災工事が終了するなど、一定の改善措置は進んだとして評価した後「高速化の改善は進んでいない。長野、山梨両県の活性化、発展には高速化は必要不可欠。また、東京都多摩地区にとっても大きな利益をもたらす」として、今後も悲願達成のために全力で取組んでいきたいとしていた。

 また、会長代理の村井仁長野県知事は「来年は7年に一度の諏訪の御柱祭り、中央東線の利用者増が期待される。こうした一つひとつの積み重ねが今後の取り組みの礎になる」として、中央東線の利用を呼びかけていくとともに、さらに高速化と利便性の向上に向け働きかけを強固にしていくとしていた。

 議事では、20年度の事業報告、収支決算、21年度事業計画や収支予算などを原案通りに承認。このうち、21年度事業では、◇三鷹~立川間の複々線化の早期事業化◇京葉線の延伸(東京~新宿~三鷹間)の推進◇高尾以西の線形改良の推進◇新型高速車両の開発推進◇中央東線の利便性向上及び沿線地域の活性化-の5項目を目標に掲げ、昨年に引き続き国土交通省、JR東日本への陳情・要望のほか、新たに東京都へも要望することなどを決めた。

◎佐藤信之氏が講演

 総会終了後には、評論家で亜細亜大学講師の佐藤信之氏による講演会が開かれた。佐藤氏は「中央東線高速化の可能性について」と題して、同線の現状や高速化の課題、整備スキームなどについて説明。

 結論として「中央東線は大規模投資を行っても将来の需要増は見込めない。投資額の小さい施策から段階的に実施するのがベスト」として、平成24年完成する三鷹~立川間の高架化時期に併せて朝ラッシュ時のスピードアップ化、中期的には高尾~大月間の線形改良、普門寺信号所~岡谷間の複線化、長期的には三鷹~立川間の複々線化、中野~三鷹間の現在線の線路改造などを挙げた。


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