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港湾空港が独自ルールまとめ/総価契約単価合意「プロジェクトX2009」

2009/08/25 本社配信

 国土交通省は港湾空港工事で実行中の「プロジェクトX」の構成要素として総価契約単価合意方式を位置付けているが、今年度の運用ルールをまとめた。昨年度とは違い、「諸経費込みの単価」として算出する点が特徴。官房技術調査課で検討中の内容とは異なっており、港湾空港独自のルールとしている。

 同方式について、技術調査課では設計変更の「額算定ルールの双務性向上」に主眼を置いて運用ルールを検討している。一方、港湾空港の場合は、出来高部分払いと連動させ「合意する単価(諸経費込み)を基に、月毎の支払額を設定」することによる、キャッシュフロー改善に力点を置いている。

 港湾局がまとめた「単価協議・合意のポイント」によると、単価合意の対象となる単価は、直接工事費および共通仮設費について、率計上されている経費(共通仮設費・率計上、イメージアップ経費、現場管理費、一般管理費など)を費用案分して合算した単価を諸経費込みの単価として算出する。

 諸経費込みの単価を合意する項目および単価については、発注時の工事数量総括表を基本とするが、各工種毎の支払い合意単価項目は、出来高確認を簡便に行うための「標準出来高確認指針(案)」を参考に合意する。

 契約日から14日以内に合意する諸経費込みの単価の目安は、「発注者の積算での諸経費込みの単価に落札率を掛けた金額のプラスマイナス10%程度を限度」とする。昨年度は折り合わない案件が数件あった。

 数量の増減および工種の追加など変更が生じた場合は、従来積算で算出した発注者側の諸経費込みの単価に落札率を掛けた単価を基に、再度、単価協議を行う。

 出来高部分払いでは、請負者から提示された(施工計画書上の)計画工程表に基づいて、各工種毎の進ちょく率で各月毎に支払額を算出する。

 港湾空港工事の「プロジェクトX」は昨年度から行っており、▽総価契約単価合意▽施工プロセス検査▽出来高部分払い▽三者連絡会(発注者・元請・下請)―にパッケージで取り組んでいる。

改良版となる「2009」では、更に▽現場説明会(入札・工事説明会)▽見積参考資料の入札前提示▽書類削減30%オフ+クイックレスポンス▽下請評価―を加え、各事務所2件以上、全体106件での実施を計画している。

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