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豊田高校跡地に遊水地/県立高校跡地利用の行方

2009/09/26 日本工業経済新聞(神奈川版)

 県立高校改革の中で再編統合された高校の跡地について、その後の利用状況を追ってみた。

 同改革によって生じた高校の跡地は、前期実施計画の中で一四校、後期実施計画の中では一〇校、合わせて二四校分ある。

 このうち、前期実施計画分については、既に九校の跡地が、県や地元自治体などの施設用地として転用されていたり、民間への売却により、処分が決まっている。残る豊田高校など五校の跡地利用については、その方向性がはっきりしている所もあるが、今なお検討中という状況の高校もある。

 また、後期実施計画分では、四校の跡地が県の中で転用することが決まっているほか、湯河原高校については既存校舎棟を湯河原町が町立湯河原中学校の校舎として利用している。ほかの五校の跡地は、暫定的に利用されている所もあるが、最終的な利用の方向性は未定である。

 跡地利用が検討されている高校は次のとおり。

 〔前期実施計画〕

 ▽豊田高校(横浜市栄区)=現状は、校舎側跡地は横浜市の下水道(雨水)整備用地として、またグラウンド側は栄区の多目的広場としてそれぞれ貸与している。

 県は、柏尾川の河川整備目標が時間六〇㍉対応に引き上げられたことから、同校跡地(四㌶)を遊水地として整備していく考えで、ボーリング、概略設計などの準備作業に着手している。将来的には横浜市との共用施設としての利用も想定される。

 ▽大岡高校(横浜市南区)=横浜市との間で、校舎側は市が所有する港北区の土地と交換譲渡することが決まっており、市はここへ南区総合庁舎を移転させる計画。県は、港北区の土地に港北警察署を移転新築させる(工事中)。グラウンド側も市へ売却する方針で、市は公園整備を考えているもよう。

 ▽川崎南高校(川崎市川崎区)=現在、既存施設の除却工事中。この後、土壌汚染対策工事を行ってから、売却する方針。

 ▽小田原城内高校(小田原市南町)=県の「神奈川力構想」の中で、戦略的プロジェクトの一つに位置づけられている児童自立支援拠点整備の候補地に挙げられている。

 二一年度で、跡地(二万二、八六一平方㍍)の埋蔵文化財試掘調査の準備工事を行うとともに、外部検討委員会がまとめた中間報告を踏まえ、県としての基本構想を策定する。

 これを基に候補地としての可能性を検討し、二二年度以降の整備スケジュールに結びつける。

 ▽相模原工業技術高校(相模原市光が丘)=跡地利用の方向性は未定で、売却も含めて検討中。

 〔後期実施計画〕

 ▽湯河原高校(足柄下郡)=既存校舎を湯河原町が湯河原中学校の校舎として利用している。現在は貸与しているが、将来的には町に譲渡する方針である。グラウンド側部分は、小田原土木事務所と西部漁港事務所が、高潮対策工事のヤードとして暫定的に利用している。

 ▽外語短期大学付属高校(横浜市南区)=平成二二年度までは大学が利用するが、その後については未定。

 ▽港南台高校(横浜市港南区)=暫定的に、高校改革の中で改築等を行う高校のリロケーション施設として利用するが、以後は未定。

 ▽藤沢高校(藤沢市本町)=暫定的には、前記港南台高校と同様に利用する。

 ▽五領ヶ台高校(平塚市片岡)=二一年度末に開校となる。跡地利用は未定。

 ▽新磯高校(相模原市新戸)=二二年度末に開校する。以後の利用は未定。




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