記事

事業者
その他記事(公共)

奥阿賀に安心な道/当麻トンネルが開通

2009/10/31 新潟建設新聞

 国道459号阿賀町当麻(たいま)地内で29日正午、当麻トンネルを含むバイパスが開通した。

新潟県が平成7年に整備着手。国道459号は新潟市を起点に福島県双葉郡浪江町に至る幹線道路だが、これまで当麻地区の区間では落石・雪崩の危険や、一車線ですれ違いが困難だった。

 延長1・8km(うちトンネル1330m)、幅員6・5m、歩道片側3・0m。総事業費は約54億円で、トンネル部分が約43億円を占める。掘削断面を上下に分割、段切り状に順次掘削し、支保工を施すNATM・ベンチカット工法を採用。

 安全祈願の神事を経て、開通式ではテープカット、くす玉割りに続き日出谷小学校児童約30人が合唱を披露。さらに、鼓笛隊のマーチで通り初めに花を添えた。

 その後、記念式典がホテル角神で開催され、地域住民をはじめ約70人が開通を祝った。

 神田敏郎阿賀町長は関係者に感謝の意を表し、「459号の中でも最も難易度の高い区間が開通した。集落が点在する阿賀町にとって悲願であり、新たな光。この新しい宝を活かし、交流人口の拡大を目指したい」とした。続いて、永井将裕津川地区振興事務所長が工事報告、県議会議員らがそれぞれ祝辞を述べた。

 施工者を代表して、西松・本間・巴山特定JVから㈱本間組の本間達郎代表取締役社長へ感謝状が贈呈された。謝辞を述べた㈱巴山組の猪俣茂代表取締役社長は「地域のみなさんには騒音などのご迷惑をおかけし、その都度ご理解いただき大変感謝している。建設業者として、非常にやりがいのある仕事だった。万全の管理体制で、無事故無災害だったことが一番の誇り」とした。


◇担当技術者ら◇

◇喜びしみじみ◇


「ついに、開通だなぁ」。トンネル入口を見つめ、静かに喜びをかみしめたのは現場代理人を務めた浅野賢一さん(㈱福田組)と主任技術者の清野健一さん(㈱巴山組)。

冬場の舗装は極寒の中行なわれ「風除けのシートで寒さをしのいだ」。平坦性の高い仕上がりにこだわりをもち、細心の注意を払った。コンクリートを巻く際は、全国的に相次いだ剥がれて崩落する事故を防ぐため、特殊な繊維をコンクリートに入れて施工した。

「これまでの道だけでは危険が多かった。今後は、子どもたちや地域の皆さんに安心して通ってもらえる」


【写真=日出谷小鼓笛隊のマーチで通り初め】

当麻トンネル002645.JPG

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら