県土木部は、茨城港日立港区における完成自動車輸出入の動向を公表した。メルセデス・ベンツ日本㈱が豊橋新車整備センターを廃止し、来年4月から日立に集約されるほか、新たに日産自動車㈱栃木工場が完成自動車の輸出を、来年5月より横浜港・横須賀港から日立港区へ転換する方針だ。新車の保管場所となるモータープールは現在4カ所で、整備中も含め、これでカバーできそうだが、日産自動車では将来的に利用増を見込んでおり、そうなった場合、新たなモータープール整備も必要となりそうだ。
メルセデス・ベンツ日本については、国内2カ所(日立市、愛知県豊橋市)にあるメルセデス・ベンツの新車整備センターが、物流の効率化、コスト低減などにより、日立1カ所に集約されることになった。
集約時期については平成22年4月で、平成22年2月からは、茨城港日立港区で国内向け全量の輸入が開始される予定。日立港区利用見込み(平成22年度)は、輸入数量が3万5000台、入港隻数が70隻程度(過去実績からの推定)。
完成自動車を保管する場となるモータープールは、現在、メルセデス・ベンツ新車整備センターの隣接地5haを日立市が取得し、来年3月をめどに日立埠頭㈱(日立市)によって施工中。
そのほか、既設のモータープールは日立港区寄りに3カ所(8・5ha、4・6ha、3・5ha)あり、いずれもメルセデス・ベンツが利用しているが、最近では景気悪化で利用も減少傾向。
一方、日産自動車は、栃木工場生産北米向け輸出完成自動車について、物流の効率化、二酸化炭素排出量減額などにより、横浜港、横須賀港から日立港区利用へ一部シフトする計画。利用時期については平成22年5月の予定。
同社の日立港区利用見込み(平成22年度)は、輸出数量が6万台、入港隻数が30隻程度。
だが、これはあくまでも北米の東海岸向け。日産では西海岸向けも含め15~16万台の輸出量を誇る。日産では西海岸向けの輸出を横浜港、横須賀港で継続する方針だが、将来的には西海岸向けも日立港区を利用したい考えを県に示しており、そうなった場合には現在のモータープールではカバーしきれないことから、新たな土地を確保することになりそうだ。
なお日産は、以前から日立港区をスポット的に利用していた経緯がある。
【図=日立港区のモータープール利用予定地】