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川俣建夫氏インタビュー/東洋安全防災(長野市)代表取締役/消防設備保守関係功労者消防庁長官表彰

2009/12/23 長野建設新聞

 消防・安全標識の製造販売などを手掛ける㈱東洋安全防災(長野市)の川俣建夫代表取締役(66歳)が、本年度消防設備保守関係功労者消防庁長官表彰を受賞した。「予期せぬことで、ありがたい」と率直に喜び、「今後は『環境』に配慮した商品。例えばペットボトルや再生紙を使った掲示板や、ソーラー式標識などのシェア拡大に努めたい」と、引き続き標識分野で先導的役割を果たす覚悟を語った。

 川俣氏は昭和61年、東洋安全防災に入社。以来、常務取締役、代表取締役として消防・安全標識の開発、製造、販売に力を注いできた。

 県の入札制度改革で平均落札率が下げ止まった際は、「不安全行動を無くすための看板の数をそれまでの半分にするといったことがまかり通り、低価格受注による経費節減の影響をもろに受けた。非常に厳しい状況だった」と回顧。工事を進める上で最も大切な「安全」がおろそかにされていた時代を経たからこそ、それに対する意識は高い。

 施工者向けに『安全帯ビジュアル教育』と題したDVDを作成。「安全帯をしていれば良いというものではない。普及と同様に、普及後の点検も重要。新規入場の際に、手軽に指導できるようなツールや機会が必要」と語った。

 環境配慮型の標識については「従来型に比べ価格が割高になるため、普及が進まない状況にある。打開するためには行政の指導が不可欠」とし、業界と行政が一体で取り組むべき課題との認識を示した。

 全国仮設安全事業協同組合北信越支部長野支所長としての立場では、「現在は国、県とも足場の手すり先行工法を義務付けているが、点検手法は認知不足の感がある。この勉強会の開催を行政に働き掛けているところ」と紹介。「(国土交通省)長野営繕事務所からは『前向きに検討したい』との返事を受けている。来年度には実現したい」と語った。


【略歴】川俣建夫氏(かわまた・たてお)昭和18年1月17日生まれ。66歳。小川村出身。昭和36年県立中条高校卒。昭和61年㈱東洋安全防災入社、平成13年同社代表取締役。平成14年日本消防標識工業会会長表彰、平成17年社団法人全国消防機器協会会長表彰。

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