国交省北陸地方整備局港湾空港部は14日、新潟港からロシア内陸部へ向けた陸海複合一貫輸送の実験を開始した。新潟港をモデルケースに、欧州と日本を結ぶ物流体系確立を狙う。
現在、欧州向けの貨物は海上輸送でスエズ運河を経由し、内陸部に至るものが主流となっている。今回の実験は、日本海側の新潟東港からウラジオストクまでを海上輸送したのち、シベリア鉄道を用いて陸路で運ぶものだ。時間短縮のほか、鉄道へのモーダルシフトによりCO2を削減することで、荷主ニーズを見込む。
これまでの実績で富山-サンクトペテルブルグ間の海上輸送は約1カ月。鉄道輸送を併せた実験で、特に所要時間の課題を抽出し、将来的にはおよそ二週間としたい考えだ。
この日、チャイルドシートを積んだ40フィートコンテナ1本が、関東から鉄道輸送でJR白新線を経由し、新潟東港鉄道旧藤寄駅に運びこまれた。ここでトラックに積み替え、東港国際コンテナターミナルへ搬入、本船荷役となり、ウラジオストク港を目指す。
新潟東港鉄道は鉄道車両メーカーの専用線で、現在も新型車両の搬入時などで年に数回程度利用している。実験が軌道に乗れば、新たな鉄道整備の構想もあるという。
新潟港では長年の懸案事項だった「沖待ち」解消をターミナル整備の新規事業着手で対応。まずは、時間短縮で急ぐ貨物の需要を掘り起こす。往路・復路の積荷のバランスやコスト面なども課題となってくる。
【写真=コンテナをトラックに積み替える】