全国仮設安全事業協同組合北信越支部は5日、6日の2日間、新潟、長岡の2会場で仮設安全監理者資格取得講習会(足場編)を開催した。
新潟会場(新潟県建設会館)で行われた5日の講習会には、15人が参加。昨年6月に施行された改正労働安全衛生規則による足場の規則内容等についての講義を受けた。
開講のあいさつで吉川宗一支部長は、「近年、建設業の死亡事故の数は減ってきているが、本来は労働者でありながら事業主として扱われている『一人親方』の死亡事故は年々急増しているがカウントされていないという問題点もある。自分の命、働いている人の命を守るため、本日学んだことを、現場でしっかりと実行していただきたい」と述べた。
続いて行われた導入講習の講師は、吉川支部長が担当。足場の安全規則が、昨年6月施行の規則改正で厳しくなったことを強調。具体的に、これまで制約のなかった10m未満の足場や、今まで対象外だった一般住宅用の一足足場も対象となったことなどを説明した。また、安全衛生部長通達では、墜落防止のため、足場は二段手すりと幅木、隙間なし床の設置とすること、足場は、手すり先行型足場とすることなどが示されており、通達は順守しなければならないと述べた。
また、今回の規則改正で大きく変わった点として、足場の安全点検を、十分な知識と経験を持つ仮設安全監理者が行い、工事が終わるまでチェックリストを現場で保存することが義務付けられたことを説明。仮設安全監理者の資格を取得すると、足場の安全管理の責任がついてくることを自覚し、現場で徹底してほしいと、受講者に伝えた。また、屋外に出て、足場の実物を使い、幅木や2段手すりの設置方法や、手すり先行工法の実演による説明も行なわれた。
この後も、テキストに沿って講習が進められ、講習後の試験で合格した受講者に修了証が交付された。
【写真=屋外で足場を使いながら説明】