JR常磐線の岩間駅(笠間市下郷)の駅舎橋上化と東西自由通路の建設工事が今年度から開始される。JR東日本㈱水戸支社と笠間市が先月に工事全体の施工協定を締結。今月1日には平成22年度分の施工協定を結び、JRが仮駅舎の建設や電気室・電柱の移設などに着手する予定だ。23年度には現在の駅舎の北側(水戸方面)に新駅舎(S造橋上、延べ415㎡)や東西自由通路(L約40m、W約4m)の建設を進め、23年度末の完成、供用開始を目指す。24年度にはJRが現駅舎や跨線橋の撤去などを行い、事業完了の見通し。全体施工協定額は11億2321万5000円。内訳は、駅舎が5億4384万円、自由通路が4億8667万5000円、鉄道施設(現駅舎などの撤去)が9270万円。駅舎建設に合わせ市では、東口交通広場(3900㎡)や東口から東へ伸びる都市計画道路岩間駅東大通り線などの整備も進めていく。
JR東日本建築設計事務所(東京都)が担当した実施設計によると、新駅舎は、現在の駅舎(W造平屋建て)の北側に橋上(S造2階建て延べ415㎡)で新設する。上下線2本のホームとは階段とエレベーター2基で結ぶ。コンコースには出札室、券売機、緑の窓口、待合室、駅務室、休憩室などを配置する。
設計は、岩間の歴史と自然を生かして周囲へ発信することをコンセプトに、岩間の古民家の瓦をイメージした濃いグレー色の外観とする。また、地元の御影石を使用し温かみのある空間や外構照明とする。
自由通路は、駅西口と新設する駅東口を結ぶため、駅舎北側に隣接して新設する。延長は約40m、幅員は約4m、面積は約1062㎡。東西の階段にはエレベーターを1基ずつ、男女・多機能トイレを1カ所ずつ配置する。天井は木造のルーバーで、立体感や連続性のある空間を演出する。
駅舎などの建設に向けて市では、20年度にJRと覚書を締結し、実施設計業務を委託。21年度には実施設計がまとまり、市議会の承認を得て工事全体の施工協定を3月19日に結んだ。
22年度は、4月1日に年度分の施工協定を締結。それを受けてJRが工事に着手する。22年度は、新駅舎の建設場所にある駅員休憩所や電気室、電柱などを南側に移設。23年度は年度分の施工協定を結び、駅舎や自由通路の建設を進め、年度末の完成、供用開始を目指す。また、管理協定も結び、駅舎はJRが、自由通路は市が管理を始める。24年度にはJRが現駅舎やホームを結ぶ跨線橋などの撤去を行い、事業完了となる計画だ。
さらに市では、駅舎建設に合わせて東口交通広場(3900㎡)、都市計画道路岩間駅東大通り線(L930m、W20m)、日吉町古市線(L406m、W16m)の整備も進める。
【図=(上から)新しい岩間駅舎イメージパース、内部と自由通路のイメージ】