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潮来土木の管内調査/国道51号潮来バイパスや鹿嶋海岸を視察

2010/05/14 日本工業経済新聞(茨城版)

 県議会土木委員会(森田悦男委員長)は10日、県潮来土木事務所(高須進所長)に対する管内調査を実施した。同事務所行われた会議では、高須所長が平成22年度の主要事業の概要を説明し、鹿嶋市、潮来市、神栖市は管内道路や港湾の整備促進を要望した。会議後は、国道51号潮来バイパス、東関東自動車道水戸線(潮来市延方)と粗粒材養浜事業の行われている鹿嶋海岸(鹿嶋市神向寺)の現地調査も実施した。

 会議のあいさつで高須所長は、「国道51号、124号に加え、臨海鉄道大洗鹿島線などの整備により一層発展可能性の高い地域。また、東関道水戸線潮来鉾田間31㎞も国の直轄事業として整備されることが決定し、本県の道路ネットワーク完成に向けて大きく前進した。最小の費用で最大の効果を速やかに発揮できるよう、効率的に事業を執行して参りたいので今後ともご指導をいただきたい」と述べた。

 森田委員長は「発展の基礎となるのは広域的な人の移動と物流を円滑にするための社会資本整備。当事務所においては、国道124号銚子大橋の架け替え工事や国道355号牛堀麻生バイパスなどの幹線道路整備のほか、生活道路、河川、海岸、街路などの整備が進められているところ。皆さまにおかれましては、安全で安心な生活の実現と、便利で快適な地域づくりにご尽力を」と話した。

 同事務所の22年度の事業費は、21億4250万円で工事箇所が38カ所。このうち国補事業は15カ所で16億2180万円。県単事業は23カ所で5億2070万円。

 主な事業は、鹿嶋・波崎海岸侵食対策事業でヘッドランド7番から8番の間の粗粒材養浜工(2万8000立方m)を実施。21年度までの進捗率は78・5%。

 国道355号牛堀・麻生バイパス整備事業では、用地取得と地盤改良工事(全体7・4㎞のうち潮来市延長は2・5㎞)を進める。21年度までの進捗率は58%。

 潮来市を流れる一級河川前川整備事業では、今年度は用地取得、護岸整備、地質調査などを実施。流過能力の増大を図り、浸水を防ぐとともに景観や環境に配慮した川づくりを進めていく。

 国道124号銚子大橋架換事業では、22年度には橋面工、旧橋撤去などを行う。新橋の規模はL1・5㎞(橋長L1・2㎞)、W12/6・5m。21年度までの進捗率は64%。

 高須所長による事業説明のあとは、管内3市を代表して内田俊郎鹿嶋市長が「潮来土木管内では多くの課題を抱えながらも、着実に進めていただいている。これから要望させていただく箇所について特段の配慮をいただければ幸い」とあいさつし、歩行者や自転車の通行が危険な状態である県道鉾田鹿嶋線の歩道および排水の整備促進を要請した。

 続いて、●(木へんに八と口)田千春潮来市長が、中心部を流れる同市の象徴的河川である前川の景観・環境・水質浄化に配慮した河川改修の整備促進を要望。

 また、保立一男神栖市長の代理で鈴木誠副市長は、交通量は多いが幅員が狭い県道深芝浜波崎線の拡幅整備や国際競争力強化のため、鹿島港の航路埋没対策の実施を求めた。

 会議後、国道51号潮来バイパスおよび東関東自動車道水戸線(潮来市延方)と粗粒材養浜事業が展開されている鹿嶋海岸(鹿嶋市神向寺)の現場へ向かい、視察した。

 各市の要望は次のとおり。

 ◆鹿嶋市=①県道鉾田鹿嶋線の整備促進(歩道および排水の整備)②鹿島港外港公共埠頭から東関東自動車道につながる物流道路の整備(都市計画道路須賀佐田線ほか)③県道荒井行方線の整備促進(第2工区)④鹿島灘海岸侵食対策事業および飛砂・塩害対策事業の促進⑤県道鹿島港線の整備促進(下津地区)

 ◆潮来市=①一級河川前川の景観・環境・水質浄化に配慮した河川改修の整備促進②国道355号線のバイパス整備促進③県道大賀牛堀線の整備促進④県道潮来佐原線交差点改良(大黒天前)および排水路の整備⑤県道潮来佐原線(延方干拓から県道大賀延方線まで)の整備

 ◆神栖市=①鹿島港の航路埋没対策②鹿島港北公共埠頭(13mバース)の早期整備促進③県道深芝浜波崎線拡幅整備促進④国道124号の6車線化⑤広域幹線道路網(リバーサイド道路、新橋および鹿島港港湾中央連絡橋)の整備促進


【写真=(上から)森田理事長、高須所長、内田市長、主要事業説明などを行った】

森田委員長008905.JPG 高須所長008906.JPG 内田市長008907.JPG 会議2008908.JPG

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