新潟市東区の物見山・河渡・空港地区などの浸水被害の軽減を目的に整備が進められてきた下山ポンプ場が完成の日を迎え、今月8日には、通水式典が挙行された。
式典には、篠田昭市長をはじめ、北陸地方整備局や市議会議員、町内会などの関係者が出席し、ポンプ場の完成を祝うともに、篠田市長らの合図で、通水を開始した。
下山ポンプ場は、東部処理区物見山排水区(物見山・河渡・空港地区)の636haを対象とした10年確立降雨強度45・9mm/時に対応できる排水能力を有する雨水ポンプ場で、主ポンプ計8台を使い毎秒36・5立方を阿賀野川へ放流する。
平成7年に都市計画決定され、平成13年度から工事着手、平成18年度に土木工事が、19年度に建築工事、20年には電気・機械設備工事が完了。翌21年度からは、北陸地整阿賀野川河川国道事務所に樋門工事を委託し、今年5月に完成・引渡しを受けた。
施設規模は、RC造地上3階、地下3階建て、延べ床面積8509・95㎡。ガスタービンエンジン式6台と電動機式2台の主ポンプ設備を有し、物見山1号幹線から流入(流入管φ4000mm)した雨水を毎秒36・5立方で、阿賀野川へ排水する(放流渠巾3500mm、h2500mm、3連)。
同施設の建設には、工事着手から、およそ8年半の歳月と約150億円の事業費を投じた。
篠田市長は「平成10年の『8・4水害』で東新潟地区は、甚大な被害を受けた。日本一の信濃川、阿賀野川を抱える新潟市は、常に水との戦いであり、美田と市街地を守るため最も重要な課題である。今日をステップとして、これからも安心・安全な政令市を目指したい」と誓った。
また、来賓として出席した国交省北陸地方整備局の松浦弘建政部長は「下水道整備は、生活に欠かすことができない社会基盤であり安心・安全な生活の柱である、新潟市での下水道整備は、昭和27年に着手して以来、着実に効果が上がっているがまだ課題は残されている。国土交通省としても、積極的に支援したい」とあいさつした。
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下山ポンプ場建設工事を請負った主な担当者は次のとおり。
▽土木=加賀田組・櫛谷組・皆川組・大沢組・長北組JV
▽建築=加賀田組
▽建築附帯機械設備=ナカムラ
▽建築附帯電気設備=越後電設
▽ポンプ設備(1期)=荏原由倉ハイドロテック
▽沈砂池設備(1期)=日東河川工業
▽電気設備(1期)=神鋼電機
▽ポンプ設備(2期)=酉島製作所
▽沈砂池設備(2期)=住友重機械エンバイロメント
▽電気工事(2期)=神鋼電機
▽排水樋門工事(国土交通省委託)=坂詰組
【写真=市長らの合図で通水を開始。式典後には施設内を見学した】