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神奈川県横浜市

市立横浜総合高校/旧県立大岡高校に移転

2010/08/05 日本工業経済新聞(神奈川版)

 横浜市は、市立横浜総合高校(中区翁町二丁目)を旧県立大岡高校跡地(南区大岡二丁目)へ移転し、再整備することを決め、三日までに大岡高校の耐震診断調査を横浜市建築設計協同組合に委託した。今後は平成二十五年度移転に向け、準備を進めていく。

 横浜総合高校は、市立横浜工業高等学校としてはじまり、平成十三年に市立港高校、商業高校(定時制)を再編統合する形で現在に至っている。

 一方、大岡高校は、市営地下鉄弘明寺駅に近い場所にあり、県立清水ヶ丘高校との再編統合により、平成十六年に閉校した。

 横浜総合の校舎は昭和四十五年の建設で、平成十二年の耐震診断結果で耐震補強が必要と判定された。市では、早期の着手を目指して、検討を進めてきたところだが、工事を行うにも、授業が三部制で、深夜の工事となることや、校舎が七階建て、延床面積約一三、〇〇〇平方㍍と規模が大きく特殊な構造であることから、工事が長期に及ぶ。教室内の工事にあたっては、教室の移動を繰り返すなど、授業への影響や生徒への負担が大きくなる。さらに、施工後は教室が小さく区画されたり、教室の一部が使用できなくなるなど、学習環境が損なわれる可能性があるとし、他の場所への移転を含め検討を行っていたところだったが、今年度、大岡高校に移転予定の南区総合庁舎の移転が難しくなったという話しを受け、移転に向け、準備を進めることとなった。

 市では移転のメリットについて、早期の耐震対策が可能。現在より、広い敷地や校舎を活用し、教育の充実を図ることができるとしている。

 移転先となる大岡高校は、敷地面積一七、四〇〇平方㍍のなかに、校舎、体育館など延床面積一四、七〇〇平方㍍の建物が建っている。今回の耐震診断は、既存建物のうち、RC造三階建て、延床面積六四七平方㍍の校舎中央棟、S造二階建て、延床面積一、六四七平方㍍の体育館、それにS造二階建て、延床面積一、三四四平方㍍の格技場の三棟が対象となる。十一月までに診断結果をまとめる。残る昭和五十七年竣工のRC造五階建て、延床面積五、四六八平方㍍の北棟と、五十六年竣工のRC造五階建て、延床面積五、四一七平方㍍の南棟は、区役所移転計画時に診断を終えている。

 今後は、年度内に基本設計、二十三年度で実施設計図を描き、二十四年度で工事というスケジュールで進む。





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