取手市は井野地区の都市再生整備計画をまとめた。市はまちづくり交付金15億3400万円を投じて今年度から26年度までの5カ年で同地区のまちづくりを進めていく。具体的には、分断されている市の東西地区の交通を円滑化するために上新町環状線(井野工区)の整備を進めるほか、常総ふれあい道路改修、雨水排水整備、下高井野々井線の防災防犯対策を行う。今年度は上新町環状線の用地買収、常総ふれあい道路の設計のほか、下高井野々井線への冠水警報装置と防犯カメラの設置を行う予定。
都市構造上取手市は、東西地区を結ぶ幹線道路がJR常磐線と国道6号により分断されており、地域活性化や交通円滑化に支障をきたしている。また老朽化による道路の劣化、十分な能力を持つ排水施設の未整備による道路の冠水、床下浸水の発生などの問題が見られる。
市はこの問題を打開するため、まちづくり交付金を活用し、地区間ネットワークの強化および地域の防災性と安全性の向上を図る。
対象地区は井野地区の511haで、22年度~26年度までの5カ年を計画期間に設定。
整備方針に従って、上新町環状線(井野工区)、常総ふれあい道路(市道0106号線)改修事業、雨水排水路整備、下高井野々井線(防災・防犯対策事業)を基幹事業として実施する。
上新町環状線(井野工区)は、市・県による整備を進める延長1390mの都市計画道路。同線の整備により、迂回利用による周辺道路の慢性的な渋滞の解消、生活道路への交通流入の防止、取手協同病院までの搬送時間の短縮を図る。
今回のまちづくり交付金は、県道取手谷中線~常磐線陸橋手前までの延長676mが対象。全体事業期間は19年度~26年度で、総事業費は12億5600万円。うち交付対象事業費は8億3000万円。
また同線の整備に合わせて雨水排水路整備事業も行い、道路冠水危険箇所を減少させる。計画延長は870mで、事業費は2億9800万円。
この2つの事業は、23年度末まで用地買収を行い、24年度から工事に着手したい考え。
常総ふれあい道路は、昭和63年に開通した同線のうち、取手市内の延長3800m(取手駅西口交差点~県道守谷流山線)を老朽化に伴い全面的に改修する。事業費は3億9000万円。これにより同線の路面状況に関する苦情件数の減少を図る。
今年度は設計の策定を行い、来年度から工事に着手する計画。
下高井野々井線における防災・防犯対策事業は、野々井地区からゆめみ野駅間にある2カ所のアンダーパース(国道294号・常総線)に冠水警報装置を設置するほか、死角の部分に防犯カメラを設置するなどの対策を施し、利用者の安全を確保する。事業は今年度に単年度で行う予定。事業費は1600万円。
都市再生整備計画における事業の概要は次のとおり。
【基幹事業】
◆上新町環状線(井野工区)(延長676m)
◇事業期間=22~26年度
◇事業費=8億3000万円
◆常総ふれあい道路(市道0106号線)改修事業
◇事業期間=22~26年度
◇事業費=3億9000万円
◆雨水排水路整備事業
◇事業期間=22~26年度
◇事業費=2億9800万円
◆下高井野々井線(防災・防犯対策事業)
◇事業期間=22年度
◇事業費=1600万円
【添付データ=井野地区整備方針概要】