「国営印旛沼二期地区」の土地改良事業が着工へ向けて動き出した。今年7月に印旛沼土地改良区が県を経由して農林水産省関東農政局に施行認可を申請、8月には現地に関東農政局印旛沼二期農業水利事業所(佐倉市宮小路町28)が開設された。農林水産大臣からの適否決定及び事業計画決定後に関係市町で事業計画書の公告縦覧が行われ、年度内には事業計画が確定する見通し。総事業費332億円を投入する大規模な土地改良事業がスタートする。
同事業は、国営干拓事業により造成された施設が築造後40年以上を経過し老朽化していることから、用排水施設の改修、新設、廃止などを行い、施設機能の保全を図り、農業経営等の継続的な安定を図ることを目的に計画された。また、印旛沼周辺で低地排水路から末端排水路までの一貫した循環かんがい施設を整備し、反復利用を強化することで農業用水の安定供給、合理的利用を進める。
事業の関係市町は、成田市、佐倉市、八千代市、印西市、印旛郡酒々井町、栄町の6市町で受益面積は約5002haに及ぶ。事業の工期は2010~21年度の12年間。ただ、事業地が干拓による造成地で軟弱地盤のため、施設機能の監視期間3年を見込んでいることから、工事の実質工期は10~18年度の9年間で、18年度の事業完了を目指す。
主な事業内容は、①揚水機場3か所(白山甚兵衛機場、埜原機場、一本松機場)②用排水機場3か所(吉高機場、宗吾北機場、宗吾西機場)③幹線用水路1.2km(白山幹線用水路600m、一本末用水路600m)④幹線排水路1.1km(吉高排水路)⑤支線用水路51.7km(白山甚兵衛、埜原、吉高、宗吾北、宗吾西の各機場掛り支線用水路)⑥水管理施設1式(機場の取水量や運転状況の監視等)。
総事業費は332億円で、ほかに末端整備の関連事業費として219億円を見込む。関連事業には県営かんがい排水事業1地区、県営経営体育成基盤整備事業14地区、県営湛水防除事業1地区の県営事業16地区と農山漁村活性化プロジェクト交付金21地区の合計37地区を予定。
今年度の事業費は調査・設計など1億5000万円。今月5日には同事業所から簡易公募型競争入札で一本松幹線用水路機能診断業務が発注された(6日付8面参照)。来年度予算では6億6500万円を要求(概算要求)している。
同地区の農業用用排水施設は、国営印旛沼干拓土地改良事業(1946~63年度施行)及び水資源開発公団印旛沼開発事業(1963~68年度施行)等により造成された。事業完了後40年以上を経過し、老朽化に伴う施設機能の低下で地域の用水需要等の変化とあわせて水管理に多大な経費と労力を要している。また、印旛沼周辺では区画整理がされておらず、狭小な耕作地が多いため、生産性の向上に支障をきたしている。このような状況から、同事業により農業生産基盤を整備し、農業生産性の向上と農業経営の安定化を図る。
















