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亀田と鴨川市が安房医療特区提案/総合特区提案募集 URは金田でナショナルビジターセンターなど

2010/11/02 日刊建設タイムズ

 内閣官房地域活性化推進本部は、「新成長戦略」に基づき創設を予定している「総合特区制度」の提案募集を行った。本県からは、亀田病院などを運営する亀田グループと鴨川市が「安房ライフ・イノベーション国際戦略総合特区」、県が「成田グローバルビジネス・ワンストップエアポート戦略特区」、県と都市再生機構(UR)が「東京湾アクアラインを活用した木更津金田国際交流総合特区」、市原市が「(仮称)いちはら地域ブランド化事業特区」などを提案した。

 亀田グループと鴨川市の「安房ライフ・イノベーション国際戦略総合特区」は、鴨川市を中心とした安房地域を医療・介護・健康分野での新成長戦略モデルとして、雇用の創出と医療関係関連産業の育成を柱とした戦略モデル地域に位置付け、戦略モデルが全国に拡充することを目指す。

 具体的な取り組み内容としては、亀田医療大学(仮称)の設立、医療介護技術の研究開発促進、IT技術の活用促進、国際医療交流の推進などを提案した。

 亀田医療大学は、看護学部を設置し、看護師を養成する。鴨川市の廃校跡地に12年4月の開校を目標に整備する。研究開発では、亀田グループと大手製薬・医療機器メーカーの連携により革新的な医薬品、医療・介護技術の研究開発を促進する。

 県の成田グローバルビジネス・ワンストップエアポート戦略特区は、国際競争の激化する航空ビジネスで、発着回数30万回やアクセス改善による「world sky gate Narita」空港の機能強化に加え、国際ビジネスカンファレンス機能やエアラインの運航を支援するトレーニングセンター、構内食、航空機整備等の航空関連企業の誘致など、ハブ港として不可欠な空港支援機能を強化する。

 都市再生機構の「東京湾アクアラインを活用した木更津金田国際交流総合特区」は、成田国際空港と羽田空港の有機的連携を図る中で、臨空としての優位性を活かし、観光の拠点となる滞在型施設や観光向け利便施設の立地を促進し、訪日外国人等の観光、交流に資することを目的に、観光産業と健康増進産業等とのタイアップにより新たな観光スタイルを目指す事業を展開する。

 外国人向け滞在・利便施設の立地促進では、(仮称)ナショナルビジターセンター(宿泊・休憩所、ワールドバザール、日本や世界の食文化を紹介するレストラン、伝統行事等を紹介し賑わうお祭り広場等)の設置や、外国人向け観光コンシェルジュ機能を地区内に導入することにより、外国人を中心とした空港利用者の利便性の向上に資するとともに、空港機能(チェック機能、ラゲッジ・サービス機能、外貨両替、フライト情報の提供、航空会社ラウンジ)の一部を施設内に設ける。

 また、(仮称)ナショナルビジターセンターへのスムースなアクセスが可能となるように、東京都アクアライン連絡道からのアクセス道路を強化する。このほか、東京湾アクアラインの国策による恒久的な料金引き下げに取り組む。

 提案募集には、全国から延べ278団体より合計450件の提案があった。このうち地方公共団体からの提案は延べ152団体327件、企業・団体からの提案は126団体145件だった。

 今回の募集は制度創設を行う上での新たなアイデアを募集したもので、今後の指定、認定等の措置には直結しない。

 以下、本県関係の提案内容は次の通り。

 ▽千葉県=①成田グローバルビジネス・ワンストップエアポート戦略特区(仮称)②京葉臨海コンビナートにおける素材・エネルギー産業の国際競争力強化③地域バイオバンクシステムによる疾患研究と創薬イノベーション特区(仮称)

 ▽千葉県、独立行政法人都市再生機構=東京湾アクアラインを活用した木更津金田国際交流総合特区

 ▽市原市=(仮称)いちはら地域ブランド化事業特区

 ▽成田市=日本の“ファーストシーン”“ラストシーン”を演じるまち~和のもてなし「成田」から

 ▽医療法人鉄蕉会、学校法人鉄蕉館、社会福祉法人太陽会、鴨川市=安房ライフ・イノベーション国際戦略総合特区

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