稲敷市の田口久克市長は26日、旧江戸崎西高校跡地に計画している新庁舎の整備方針を示した。既存の特別教室棟(RC造4階建て延べ約2100㎡)を活用するほか、北側に新庁舎を建設する。新築庁舎の規模は4階建て延べ6500㎡。敷地東側には江戸崎・美浦統合消防署予定地を確保した。既存4庁舎の改修・解体費を含めた総建設費は約35億円で、うち新築分は約18億円。今年度内に㈱安井建築設計事務所東京事務所(東京都千代田区)で基本設計をまとめ、来年4月から実施設計に着手する。合併特例債期間内である平成25年度中の供用開始を目指す。
新庁舎の建設は4町村合併に伴い計画。旧江戸崎西高校跡地(稲敷市犬塚・5万172・91㎡)に、SRC造またはS造の地上5階地下1階程度(延床面積約1万700㎡、建築面積3900㎡)規模での新設を予定したが、田口久克市長の就任後、事業を一時締結。
その後、市議会の特別委員会の決議採択や市民アンケート、庁舎建設市民100人委員会からの提言などを踏まえ、今回改めて市としての最終判断を示した。
それによると、市職員の削減や将来の社会情勢に柔軟に対応できる効率的でコンパクトな庁舎が必要であるとの考えから、江戸崎西高跡地にある2つの校舎のうち、平成9年に耐震補強工事を終えている特別教室棟(RC造4階建て延べ約2100㎡)を改修し、リニューアル庁舎として活用する。
新築する庁舎は、リニューアル庁舎の北側に配置。施設規模は4階建て延べ6500㎡で、構造は未定。ユニバーサルデザインに対応した人に優しく、防災拠点として市民を守る安心感のあるものにする。新庁舎には、水道課、下水道課、健康増進課を除く3庁舎の部署が入る予定。
敷地東側には、市の防災拠点として江戸崎・美浦の統合消防署の建設予定地を確保するとともに、美浦村へのアクセスを考慮した計画とする。
このほか、公共交通がスムーズに乗り継ぎ調整できる拠点施設として、バスターミナルを備えたロータリーの整備も図る。
駐車場は来庁者用に150台(リニューアル庁舎南側)、職員用260台(新庁舎北側)など計535台分を用意。また別棟として屋内車庫100㎡で整備する。
総建設費は約35億円。このうち庁舎新築に18億2000万円、既存施設の改修に2億5620万円など、新庁舎関係の工事費は総額29億3862万2550円。このほか、校舎解体に約2億円、既存庁舎解体・改修に約3億円を見込む。当初計画と比較すると約15億円の削減となった。
今年度内に㈱安井建築設計事務所東京事務所で基本設計をまとめ、23年度当初から実施設計に着手。その後の整備スケジュールは未定だが、合併特例債期間内の平成25年度中の供用開始を目指す。
なお、行政機能を新庁舎に完全に集約するのではなく、旧町村単位で(仮称)地区協働支援センターを設置し、証明書の発行など簡易な行政サービスを提供する。東と桜川では分庁舎を利用するほか、新利根はふれあいセンターに設置する計画。
【エクセルデータ=新庁舎計画概要】