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7・13水害から6年半/河川改修事業が完了/信濃川下流と五十嵐川で

2011/01/15 新潟建設新聞

 県内に甚大な被害をもたらした『7・13水害』から約6年半が過ぎた今月13日、国土交通省北陸地方整備局が進めていた信濃川下流河川災害復旧等関連緊急事業および新潟県が事業主体となって整備を行った五十嵐川災害復旧助成事業が完了の日を迎えたことを受け、三条市内で竣工式が挙行された。

 『7・13水害』の発生した2004年度から約6年半の歳月と約800億円の事業費を投じて災害復旧と再度災害防止に向けた整備を行った結果、今後、発生する同規模程度の豪雨は、『災害』ではなく『大雨』となる。

 五十嵐川の改修を進めていた新潟県では、信濃川合流点から渡瀬橋までの3・9km区間について、災害復旧助成事業により、総事業費325億円を投じて同河川の改良を実施。

 破堤箇所を重点的に補強するとともに、川幅が確保されていた上流域では、計画策定後、すぐに工事着手し、護岸工や築堤工を推進。一方、計画区域内に多くの家屋が並ぶ下流域では、約400棟に上る移転補償の後、河道掘削と盛土により、河積断面を確保するとともに、護岸工、堤防盛土などの工事により、堤防補強対策を行い、洪水を安全に流下できるようにした。

 あわせて、被災した一新橋の撤去を含む橋梁3基の架け替えや排水機場・樋門6基の改築などが行われた。

 現在、残る島田排水機場の改築を進めており、本年度中の完成を予定している。

 また、五十嵐川、刈谷田川の改修に併せて、両支線の流下能力の増加に伴い、北陸地方整備局では、総額386億円を投じ、04年度から信濃川本線での信濃川下流河川災害復旧等関連緊急事業に着手。

 刈谷田川合流点から、小阿賀野川合流点までの34・2km区間の左右両岸で築堤を行ったほか、支線合流点の改良に伴う河道掘削や水門・樋門29基の改築、橋脚補強、護岸工事を実施した。

 なお、同事業により約3割程度であった信濃川下流本線の堤防整備率は、およそ9割に達し、流域の治水安全度が大きく向上した。

【写真=くす玉を割り、事業の完了を祝った(13日、三条市内)】

信濃川下流・五十嵐川・刈谷田川災害復旧事業竣工式003848.jpg

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