細谷工業㈱(狩野和義代表取締役社長・高崎市並榎町85-7℡027-362-7711)は、創業50周年の記念の年を迎えた。
同社は細谷力雄現取締役会長によって1960年創業。社是に「誠実・感謝・挑戦」を掲げ、高度成長時代を経てその後のバブル崩壊、設備投資減少等、激動の社会経済の中で着実に業績を伸ばしてきた、県内を代表する優良設備会社のひとつ。
昨年10月に50年の節目を迎え社内にプロジェクトチームを発足、今年は50周年イヤーとして「当社の社是のひとつである『感謝』の気持ちをお伝えしていきたい」(狩野社長)という。今月下旬から役員による顧客へのあいさつ回りを始めるとともに、2月末の安全衛生協議会総会終了後に御礼の会を、また3月下旬には社員の家族を招いて御礼の食事会をそれぞれ催す予定。
創業者である細谷会長からバトンを受けつないだ2代目の狩野社長は「第2の創業期ととらえ、時代の変化、環境の変化に対応し全員が一体感をもって現場主義でいろいろなことに挑戦したい」と話す。
狩野社長は就任以来、ビル全体の管理業務や千葉県への進出、県産業技術センターとの共同研究、特許出願--など、すでに様々な新たな取り組みをはじめている。
先行き不透明のこれから時代の中での生き残りについては「今後は一層技術力と企画力に重点を置いていかなければならない。同時に自分たちの持っている技術や企画を上手く発信していく手法も身につけなければ宝の持ち腐れになってしまう。そのために今年からパワーポイントの講習を始めた。何しろ技術者は表現力が苦手なので(苦笑)」。
社員教育ではそのほか、外部コンサルタントによる研修を各自が希望する講座を受講できるようしたり、1年間に一人100時間の勉強を課すなど、技術職だけでなく全社員に2つ以上の国家資格取得を義務づけている。中でも営業マン全員に「食品冷凍技士資格」を受検させるという。食品流通市場の変化、低温市場の拡大への対応で肉や野菜類など冷凍の低温分野における知識を深めるためのもの。またエネルギー管理士、建築設備士の人数も増やしていく方針だ。
今後の具体的な会社運営について狩野社長は「メンテナンス事業とエンジニアリング化に力を注いでいきたいと考えている。そしてお客様の要望もあり神奈川県への営業所開設を決めた。営業基盤の拡充を図ることで新たな戦略を創造していきたい」と、1世紀企業に向けた展望を示した。