社会福祉法人・越後上越福祉会(飛田尚文理事長)が上越市安塚区内で整備を進めていた『特別養護老人ホームあいれふ安塚』が今月20日に、完成を迎え、同日には新施設で、竣工式が執り行われた。
式典には、同法人をはじめ、県、市の関係者や施工関係者など多数が出席し、神事を行って、新施設の完成を祝った。
同施設の完成にあたり、飛田理事長は、「地域に根差し、愛され、開かれた施設として、利用者が安全・安心な自由な暮らしを贈ることを第一義に、コミュニティの弱体化が叫ばれる昨今において、地域と連携した施設運営を目指したい」と決意を語った。
来賓として出席した村山秀幸上越市長は、「春の訪れと共に待望の施設が完成した。高齢化が進み、要介護者が増加傾向にある当市において、地域の福祉を支える施設として期待している」と祝福した。
また、式典では、施設の設計を担当したエスデー建築研究所と、施工を担当した植木組に対し、感謝状が贈呈され、植木組の植木義明社長は、「この地での、心温まる施設の建設に携わることは大変な喜びである。この施設を通じて、地域の人々の交流に貢献できるものと自負している。今後、地域の皆様と共に発展することを祈念する」と謝辞を述べた。
新施設は、安塚高校裏の沢田工業団地内に建設され、施設規模は、S造2階建て、延べ面積6116・32㎡。オール電化、全室個室の100床の居室をメーンに、地域に開かれた施設として、直峰城ホールなどの交流スペースが設けられている。
同市内では、18カ所目の特別養護老人ホームとなり、同施設の完成により、市内全体では1331床が整備されたことになる。
施設建設にあたっては、サトコウのSUTT(サット)工法を採用し、施工を植木組が担当。昨年8月の着工以来、今冬の記録的な豪雪に加え、先月12日には、長野県北部を震源とする地震により同区でも震度5弱の揺れを観測したが、同施設の施工に大きな影響を与えること無く、無事に完成の日を迎えた。
SUTT工法では、工場内で、約8割まで施工されたユニットを組み上げるため、天候の影響が少なく、工期の短縮および工事費の低減が期待される。
建設を担当した現場代理人も「同工法を採用したことで、時間の効率化を図ることができた。在来工法では、天候に左右される部分が多く、時間が掛かったかもしれない」と話す。
また、同工法では、独立したユニットを組み上げることにより柱や梁は、二重構造となり、耐震性・遮音性が確保されるほか、分解・再利用が可能となるなどのメリットがある。
【写真=竣工した施設。オール電化の居室や最新の設備も完備。また施工者らに感謝状が贈呈された】