県県土整備部下水道課は、「江戸川第一終末処理場」の1期区域で用地買収が順調に進み、取得率が80%を超えたため、供用開始に向けて今年度から工事を本格化させる。今年度は主ポンプ棟に着工する予定で、2011~16年度の6か年で整備する。11~14年度の4か年で土木、建築工事、その後、15~16年度の2か年で設備工事を実施する。今年度は土木・建築工事を発注する。工事は総合評価方式の一般競争入札により8月ごろの公告を予定している。このほか、今年度は仮調整池工事や進入路工事の発注を予定。主ポンプ棟の実施設計は東京設計事務所(千葉事務所:千葉市中央区栄町36-10)が担当。来年度以降には水処理施設、管理棟などの整備を順次進め、17年度の完成を目指す。
江戸川第一終末処理場は、第二処理場が08年度に処理能力の限界を迎えることから新たに整備する。対象事業実施区域は市川市下妙典及び本行徳の30.3haで、このうち敷地北西側の約10haを第1期区域として先行整備する。第1期区域には主ポンプ棟のほか、放流ポンプ棟、ブロア棟、沈砂池・ポンプ棟、急速ろ過池、水処理施設などの第1系列分を整備する計画。主ポンプ棟の処理能力は日量15万5000立方メートルで、ポンプは37立方メートル×2台と74立方メートル×1台を予定。
同処理場は処理水量約31万立方メートル(日最大)の計画で、水処理施設は8系列。主な施設は、施設管理棟、主ポンプ棟、放流ポンプ棟、消毒施設、汚泥処理棟4棟、焼却炉4棟、沈砂池・ポンプ棟、特高・受電発電機棟、分水槽、ブロア棟、最初沈砂池、最終沈殿池、生物反応槽、汚泥濃縮槽、急速ろ過池、活性炭吸着施設、バイオマス施設1式など。
同事業では06年1月に都市計画変更素案、同年8月に環境影響評価準備書、都市計画変更案を縦覧し、同年12月の県都市計画審議会で可決され、07年1月に県が都市計画決定を告示。さらに3月に都市計画法と下水道法の事業認可を取得し、認可を受けて用地買収に着手した。処理場全体の用地取得率は昨年度末で約51%。