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アパグループ/元谷外志雄、芙美子氏に聞く/都心3区でトップを取る/中期計画が順調に推移

2011/08/30 本社配信

 ホテル、マンションなど幅広く事業を展開しているアパグループは、昨年4月から中期5カ年計画「SUMMIT5」(サミット5)をスタートさせている。キーワードとして「一点突破・全面展開」を掲げ、都心3区(千代田・港・中央)におけるホテル棟数、マンション年間供給数で第1位を目指している。グループの元谷外志雄(もとや・としお)代表とアパホテルの元谷芙美子(もとや・ふみこ)社長へインタビューし、計画の進ちょく状況や経営方針などを聞いた。





 ―経営のかじ取りをしていく上で重視していることは


 元谷外志雄氏

「アパはグループとして創業40周年、ホテルは27年目。第1号ホテルをつくった時から会員システムを取っていて、第1号会員は私、第2号会員は社長(芙美子氏)ということでスタートを切った。会員の方が現在、380万人くらいになり、もうすぐ400万人になろうとしている。これだけ増えてきた中、会員のためにどういうことがメリットかと考えると、空白域をなくして、日本中どこへ行ってもポイントがもらえて、早くキャッシュバックを受けられることだろうと考えている。アパの空白域がまだ全国に10県ある。アパは投資基準に合う場所で投資基準に合う建築をしてきた関係で、大都市を中心に新築している。地方都市は投資基準になかなか合いにくいので、買収をして、ホテル再生ビジネスとして、取得したホテルをリニューアルし、従業員を再雇用したり、取引業者も品質と価格において劣らない限りやってもらって、地域の活性化に寄与してきた。例えば四国、山陰、山陽、九州、北海道などが買収ホテル。大都市と地元の北陸を中心に所有してきて、今は大都市でしか新築していない。中期5カ年計画「SUMMIT5」で、2015年までにホテル客室4万室をつくろうという目標を掲げているが、今年2月からパートナー(提携)ホテルを始め、24ホテル・3427室が半年間で増えた。どんどん増えており、4万室のうち、1万5000室はパートナーホテルで、2万5000室を直営とFC(フランチャイズ)で計画している。FCホテルも9月1日に第1号が蒲田でオープンする。順調に拡大が進んでいる。期待を超える提携の申し入れがある。これだけ会員が増えれば、会員の方が満足していただけるホテルチェーンをつくることが、一番重要。そのためには、どこに行っても泊まれるホテルがあることが一番。それでいて、安心して熟睡できるホテルをつくっていこうとやっている」


 ―ホテルのサービス、ソフト面での経営方針は


 元谷芙美子氏

「サービスに力を入れて、歩み入る方には安らぎを、去りゆく方には幸せを感じていただけるようにやっている。支配人研修にも力を入れている。今、ハード面でどんどんつくって急拡大しているので、サービス面もきめ細かくと気を配っている。いくつかのSと言っているのだが、smile(笑顔)、speed(速さ)、sincerity(誠実さ)、security(安全)など、大切なことが沢山ある。経営者としての資質という意味ではsense(感覚)。アパをどういうホテルにしていくか、ブランド力アップのために社長としてどう寄与するかなどが見えてくる。笑顔が一番大事。できるだけ、若い素敵な女性にフロントに立ってもらって、きちんとご挨拶をするようにという風にやっている。朝礼の後はごみ拾いをして、地域の皆さんに愛されるホテルを目指している。私が自ら、ごみ拾いをすることもある。アパは立地は駅近などの一等地で、外観もセンス良く、マイホテルがアパだと、お客様に胸を張って言っていただけるようにしたい。またリーズナブルに。アパホテルをビジネスホテルとひと括りにされるのではなく、新都市型ホテル、今まであったようでなかったホテルにしたい。それと温泉旅館の良いところである、女将さんの心配りがきちんとできていて、朝ご飯がおいしく、笑顔が行き届き、清潔感があって、ご挨拶ができ、安らげるホテルにしていく」



【写真=新都市型ホテルについて話す元谷芙美子社長】

新都市型ホテルについて話す元谷芙美子社長システム000842.jpg

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