日本管更生技術協会(JPR)が主催する「JPR研修会in新潟2011」が先月29日、新潟市中央区の新潟テルサで開かれ、会員企業をはじめ、官公庁職員、コンサルタント業者ら約70人が参加し、管渠更生の施工事例や効率的な手法を学んだ。
講義に先立ち、新潟県管更生技術協会の渡辺諭副会長が「JPRの研修会は毎年、全国各地で開催しており11年目を迎えるが、これまで諸外国との設計手法の違いなどについて学び、管更生技術習得に励んでいる。本日の研修会を、ぜひ有意義なものにしていただきたい」とあいさつ。
日本管更生技術協会の小野賀章理事長も、「管更生は全国でかなりの量が発注されているにもかかわらず、いまだに管更生技術の標準仕様等、国の方針が明確に示されていない。本協会は、数ある管更生工法の情報を収集し、工法を越えて管更生はどうあるべきかということを目的に設立した。より水に対する認識が高まっている昨今、これからの日本の建設産業の目指すところは、大量に標準化されたものを造るよりも、特化されたところに焦点を当てて、多品種少量によるニーズを満たしていくことにあるのではないか」と伝え、同研修会が実りあるものになることに期待を寄せた。
研修では、同協会の技術員が講師となり▽JPR2010年管更生関連調査報告inアメリカ(管更生はもっと安価に出来る)▽φ1200mm・落差70m・長さ200mのCIPPライニング▽管路のストックマネジメントにおいて上手に管更生を用いる方法▽下水管更生の耐震性実験報告と無視出来ないマンホールと取付管接続部▽CIPPを用いた安価な道路横断管の更生方法▽圧力パイプラインはこのように更生する(JPR管水路マニュアル)▽設計に役立つJPR管更生用水替えマニュアル2010(下水道編)―などについて、実際の事例を紹介しながら説明した。
日本管更生技術協会は、管更生技術が社会的信頼を獲得し、財政および福祉の増進に寄与することを目的に2000年に設立。より安価で、より優れた品質の管渠更生技術の研究が急務とされるなかで、最適な構造設計と積算を提供するため、上水道事業、下水道事業などの経営に関する調査研究のほか、更生技術に関する情報収集や調査研究、見学、視察、講演会、講習会の開催などを実施している。
【写真=あいさつする渡辺副会長と小野理事長】