9月1日に設立された日本高速道路インターナショナル株式会社は、調査・計画から管理・運営までを含む総合的な海外高速道路事業の展開を図る。当面のターゲットはアセアン諸国・南アジア。早速、インドネシアのジャカルタへも出張した黒田孝次代表取締役社長に、今後の展望、経営戦略などを聞いた。
―経営方針と当面の目標について
黒田 なぜこの会社が設立されたかは、昨年6月の閣議決定にさかのぼる。国の新成長戦略にインフラ輸出が取り上げられている。高速道路会社に何ができるかを考えた時に、海外事業については一つの会社を設立し、そこにリソース(人的資源、財源)を集約した方が効果的ではないかということになった。各社がバラバラにやっているようでは、国の目指す方向に合わない。高速道路事業というのは、実際に完成したものを見ていただくことが一番早い。日本の安全、安心、快適な高速道路を現地でショーケースとして、一日も早く実現させたい。そうすれば、日本の技術に対する信頼感も出てくるだろうし、次のプロジェクトにもつながっていくと考えている。
―海外展開の方法は
黒田 まずは、親会社が準備しているプロジェクトの内容を吟味する。今は、その期間。東日本はインド、西日本はインドネシア、中日本がベトナム、中日本と西日本でフィリピン、首都高速はタイとインドネシア、阪神高速は中国上海など、親会社が色々と準備を進めている。その中で、年内を目途に、我々の第一のプロジェクトにふさわしいものを判断する。
―具体的な戦略は
黒田 SPC(特別目的会社)に対して出資をする。できればSPCの筆頭株主になって、マネジメントしていく。日本企業が入っていきやすい環境づくりというのも、我々に任せられている仕事ではないか。SPCでは、我々の持っている基準で発注できる。ライフサイクルコストを考えて設計するという点も、日本の高速道路の良さの一つ。民間資本を活用するPPPなどのプロジェクトに、チャンスがあると思っている。親会社からは、主に投資、ビジネスとなる部分を任せてもらうことになっている。株式会社なので、適正な利益は当然、上げていかなければならない。そういうプロジェクトを厳選しなければならない。
―民間企業との連携方法について
黒田 例えば建設会社や橋梁会社は、(従来のビジネスモデルでは)建設までが守備範囲であった。利益が出たり出なかったり。もう少し違う格好でプロジェクトにかかわっていくことも考えられるのではないか。SPCに入って、建設もするが維持管理もして、20年30年とかかわっていく。そういった会社に一緒に入っていただけることができる。建設した技術者がその橋を一番知っているのだから、維持管理もしやすい。それは前から皆さんが気付いていたことだが、そういう機会はあまりなかった。
【略歴】
くろだ こうじ。1976年関西大学大学院修了、日本道路公団入社。93年世界銀行本部。中日本高速道路執行役員八王子支社長、同執行役員関連事業本部副本部長(兼)海外事業部長などを歴任。59歳。
【写真=「日本の高速道路の良さを見てもらいたい」と話す黒田社長】

















