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事業継続を了承、14年度に着工へ/千葉市公共事業再評価 都計道塩田町誉田町線の塩田町区間

2011/11/15 日刊建設タイムズ

 千葉市の今年度第1回公共事業再評価監視委員会が11日開かれ、再評価の対象になった塩田町誉田町線(塩田町)について、市が対応方針案として示した事業の「継続」を了承した。これを受けて市は近く方針を正式決定し、残る用地買収を進めた上で、2014年度にJR内房線等アンダーパス部分の工事着手を目指したい考え。

 塩田町誉田町線は、総延長8360mの都市計画道路で、すでに千葉東南部団地から国道16号までの約6kmが供用済みとなっており、未整備区間(塩田町)の国道16号から国道357号までを整備することにより、東南部方面と臨海部とのアクセス強化をはかるとともに、蘇我特定地区と京葉道路蘇我インターチェンジをつなげることで、蘇我副都心の育成強化に寄与。また、塩田町区間の整備により、千葉中環状道路が概成、さらに緊急輸送路である京葉道路・国道16号と国道357号が塩田町で連絡し、道路の多重性・代替性を確保できるとしてしている。

 未整備区間(塩田町)の事業期間は08~16年度で、延長780m、幅員32~70m、車線数本線4車線、副道2車線、周回副道(機能回復)。JR内房線、市道浜野52号線、新田町村田町線をアンダーパス(ボックス延長270m)して京葉道路と国道357号の間を連絡する。07年度に日本技術開発に予備設計を委託するとともに、08年度から用地買収に着手した。

 全体事業費は177億300万円で、内訳は工事費137億4600万円(780m)、用地費37億2000万円(3万3600㎡)、その他2億3700万円。今年度末での用地取得率は8.9%(2979㎡)を見込んでおり、残事業は残る3万621㎡の用地取得と道路整備780mの施工。

 費用対効果分析(B/C。※いずれも社会的割引率を用いて基準年次における現在価値に換算)は、全体が総費用145億3400万円に対し総便益198億1300万円で1.36、残事業が総費用141億6600万円に対し総便益196億1000万円で1.38となり、いずれも1.0以上で投資効果が認められるほか、国道16号から国道357号までを整備することにより東南部方面と臨海部とのアクセスが強化される、フルインターチェンジ化され07年に供用を開始した京葉道路蘇我インターに直結することで広域的な道路網が形成され、蘇我副都心の育成強化に寄与する、さらに災害時の緊急輸送道路の多重性・多様性が確保され、災害に強い都市構造が形成される等の理由により、市は事業を「継続」するとの対応方針案を示し、再評価監視委員会もこれを了承した。

 なお、事業を継続するにあたり市は、発生材や再生材の使用、工事段階での新技術の活用等により、公共工事のコスト縮減に努めるとしている。

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