横浜市建築局は十六日までに、公募プロポーザル方式を用いて選定手続きを進めてきた港南区総合庁舎整備に伴う設計について、㈲小泉アトリエを受託候補者として選定したことを明らかにした。四月初旬にも設計委託の契約を交わす。
港南区総合庁舎の整備は、現庁舎の耐震性に問題があることから計画が立てられた。現庁舎は、市営地下鉄港南中央駅前の港南中央通にある。昭和四十六年のしゅん工で、鉄筋コンクリート造一部鉄骨鉄筋コンクリート造地下一階地上六階建て、延床面積一一、二一六平方㍍の構造・規模。消防署と公会堂が入る。
庁舎整備は、現庁舎に近い、港南警察署を隔てた港南区港南四丁目の敷地面積四、九〇〇平方㍍に移転整備となる。区役所に加え、消防署が入る鉄骨コンクリート造または鉄骨造の地下一階地上六階建て、延床面積一五、〇〇〇平方㍍の構造・規模で想定している。計画地の用途地域は第1種中高層住居専用地域(一五〇/六〇)であることから、用途緩和については、別途検討していく。
設計業者の選定に当たって建築局は、一月に市の入札参加登録に設計で登録している「市内」業者で、一級建築士の技術職員が二人以上在籍、過去に国、地方公共団体が発注した延床面積八、〇〇〇平方㍍以上の設計の実績。市の優良設計者表彰をはじめ、日本建築学会等が主催する建築賞の受賞実績があることを条件に付け募集手続きを開始した。
九者から参加意向申し出あり、参加資格を有する七者から提案書の提出を求めた。審査hは、外部専門家や担当局幹部職員でなる評価委員会(委員長・髙見澤邦郎首都大学東京名誉教授)が当たり、一次審査で五者に絞り、二次審査で小泉アトリエの提案を特定した。
小泉アトリエの提案は、中間階に緑化された大庇を設けるテラスについて、コストや維持管理の面から、今後、さらに検討を必要とするが、立地特性などから考えられた独創性を評価した。また、環境配慮において、具体的な目標値を持った提案であり、基本的な考え方から、建築・空間デザイン等も含めて幅広く検討されており、取り組み意欲を感じたという。
今後は、四月から十一月まで基本設計、その後、二十五年十一月末までに実施設計を仕上げるというスケジュールで臨む。
工事は、二十六年度着工で二十七年度までの二か年事業で行う。一方、今回の整備計画に含まれていない公会堂は、現在地において、民間活力の活用を念頭に検討していく。