環境省は、本年度第1回目となる循環型社会形成推進交付金(3R推進交付金)を市町村と組合に内示した。ごみ処理施設の整備や浄化槽設置などに対し補助するもので、本県では35市町村4組合の46事業に、総額17億4476万6000円が内示された。このうち、ごみ処理施設などの整備関連は3市町4組合。新規に土浦市が清掃センターのごみ処理施設整備に着手するほか、龍ケ崎地方衛生組合が汚泥処理設備の更新などを計画。一方、大子町の新環境センター整備事業では、来年度の着工を目指し、本年度に発注仕様書の作成などを予定。水戸市は、新ごみ処理施設の建設に向け、環境評価が進められている。
3R推進交付金は、マテリアルリサイクル推進施設やエネルギー回収推進施設、浄化槽、最終処分場、廃棄物処理施設の耐震化などを計画する市町村や一部事務組合に対し、事業費の3分の1を一括交付するもの。
県内で内示された46事業は、多くが個人設置型の浄化槽整備に対する補助や、市町村設置型の浄化槽整備。ごみ処理施設などの整備関連は、水戸市、大子町、土浦市の3市町と、常総地方広域市町村圏事務組合、江戸崎地方衛生土木組合、龍ケ崎地方塵芥処理組合、龍ケ崎地方衛生組合の4組合が対象。
まず土浦市では、2012年度から18年度にかけて計画する廃棄物処理施設の基幹的設備改良事業と、浄化槽設置整備事業に計659万4000円が交付。廃棄物処理施設の基幹的設備改良事業は、供用して20年が経過する清掃センター(ごみ焼却施設)でごみ焼却施設の更新工事を行う。本年度の当初予算に、長寿命化計画基本計画策定委託費として760万円を予算化。
既存の清掃センターは3基の炉が設置され、計画処理能力は1日約210t(70t×3基)。経年劣化と処理能力の低下を背景に、3基の炉を更新する。本年度に基本計画をまとめた後、13~14年度で環境アセスや発注仕様書作成などを進め、15年度から1炉ずつ更新工事を進める考え。全体事業費に約50億円を見込む。
さらに龍ケ崎地方塵芥処理組合では、廃棄物処理施設における長寿命化計画策定支援事業223万3000円を交付。清掃工場「くりーんプラザ・龍」における工場棟の大規模改修に向け、長寿命化計画の策定を行う。供用した1999年度から10年以上が経過した、ごみ焼却施設と灰溶融炉固化設備、リサイクル設備を更新する。このうち、交付金を活用するのはごみ焼却施設と灰溶融炉固化設備で、13年度に発注仕様書を作成し、14~15年度ごろの着工を見込む。
そして龍ケ崎地方衛生組合では、施設整備に関する計画支援事業と廃棄物処理施設における長寿命化計画策定支援事業に269万円を交付。浄化槽汚泥などの処理を行う「龍の郷・クリーンセンター」の基幹設備改良事業で、総事業費に3億7000万円を試算。中央監視制御装置や熱交換機などの設備更新工事を行い、本年度は、長寿命化計画や発注仕様書の作成を進め、早ければ13年度に着工予定。
一方で、大子町には総額3334万7000円を交付。浄化槽整備や新環境センターの整備計画に充てる費用。新環境センターでは、本年度の当初予算に発注仕様書等作成などの委託料1454万3000円や、出入口造成工事費1億2915万円を予算化した。
この新環境センターの整備は、老朽化などからごみ焼却施設の改築工事を行うもの。総事業費は約29億円。うち、熱回収施設に21億円を投じる。13年度に建設工事を発注し、15年度当初に稼働予定だ。
そのほか常総環境センターでは、第3次ごみ処理施設の建設が進められている常総地方広域市町村圏事務組合に11億6578万9000円を交付。今夏完成を目指し、ごみ焼却施設とリサイクルセンターの整備をタクマで進める。
江戸崎地方衛生土木組合には1億8194万3000円。昨年、細谷建設工業などで着工した新可燃性粗大ごみ処理施設建屋・ストックヤード建設工事を引き続き進める。来年3月まで施工し、同4月に稼働予定。
水戸市に対しては、施設整備に関する計画支援事業に2659万1000円を交付。これは下入野地区(約56ha)で計画している新ごみ処理施設の環境評価に対するもので、同市は13年度までの継続事業として進めている。新施設は14年度の着工、17年度の供用開始を予定。
【表=3R交付金の内示先】