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茨城県議会

想定区域公表され次第、津波対策工/下館BPは14年度供用を

2012/06/12 日本工業経済新聞(茨城版)

 二日目の一般質問には、宮﨑勇氏(自民)、細谷典男氏(無所属)、石田進氏(自民)、荻津和良氏(自民)の4人が登壇。そのうち石田議員が鹿島港の津波対策について状況を求め、小野寺誠一土木部長は、津波浸水想定区域が夏頃に公表され次第、防潮堤などの具体的な津波対策を立案し、対策工事の早期実施に取り組む考えを示した。また宮﨑議員が、国道50号下館バイパス整備の進捗を求め、小野寺土木部長は予定どおり2014年度に供用できる見通しと述べた。

 主な質問および答弁は次のとおり。


 宮﨑勇議員


 【国道50号下館バイパス整備】

 小野寺誠一土木部長 本バイパスは、バイパス区間と現道拡幅区間で構成されており、このうちバイパス区間約7・6㎞を先行して整備が進められ、これまでに約6㎞が供用。

 残る西側の都市計画道路岡芹・小川線から国道50号現道までの約1・6㎞は、現在整備に時間を要する橋梁等の構造物工事や盛土工事が進められている。当区間の用地買収は既に完了し、本年度は一部舗装工事に着手すると伺っていることから、予定どおり2014年度に供用できるものと考えている。

 これに続く、玉戸地区の現道拡幅区間も、04年度に事業化され、バイパス区間から玉戸工業団地まで延長約0・8㎞を先行して整備が進められている。

 この区間の用地は、これまで約6割を取得し、本年度は引き続き用地取得を進めるとともに、JR水戸線を跨ぐ玉戸跨線橋の架替え設計や協議などが進められる予定。


 細谷典男議員


 【東北2県の震災がれきの受入】

 泉幸一生活環境部長 これまで、受け入れに前向きな市町村などと、宮城県被災地の現地調査を行い、その結果を踏まえ、意見交換会で受入基準や受入方法などを示したうえで、現在、個別に協議を重ねている。

 具体的に、放射性物質濃度は、福島第一原発事故以前から、通常の廃棄物と見なすことができるとされていた、いわゆる「クリアランス廃棄物」の基準である1㎏当たり100ベクレル以下を準用するとともに、搬入から処理までの各工程で放射線モニタリングし、その測定結果を県ホームページで公表する案を作成した。

 また、最終処分場の確保の問題を始め、受け入れるがれきの性状、運搬方法などは、市町村によって状況が異なることから、その内容、要望などを取りまとめ、市町村の意向に沿った受け入れができるよう、国や宮城県、民間協力事業者と調整を行っている。

 さらに、震災がれき受け入れの前提となる地元住民の理解は、近く各地で説明会を開催していくが、国にも説明会に出席いただき、国は広域処理の必要性、県は受け入れの基準、市町村は受け入れるがれきの種類や量など役割分担しながら、丁寧に説明し、理解を得ていく。


 石田進議員


 【鹿島港の津波対策】

 小野寺土木部長 震災での被害を受け、県ではまず、コンテナ流出被害の発生した北公共埠頭地区の背後地への防災対策として、応急的な防潮堤約900mの整備を行い、ことし3月に工事が完了。

 一方、茨城沿岸の津波対策は、現在、茨城沿岸津波対策検討委員会で新たな津波浸水想定区域の検討を進めている。

 当初、5月頃に結果を公表する予定だったが、震災を踏まえて、将来起こりうる津波災害の防止軽減のために新たに制定された「津波防災地域づくりに関する法律」に基づく津波浸水想定区域として位置付けることとなり、現在、国と最終調整を行っていることから、夏頃の公表予定。

 鹿島港全体の津波対策は、これらの結果が公表された後、防潮堤などの具体的な津波対策を立案し、その実現を速やかに図っていく。さらに、港湾への津波の進入をできる限り防ぐため、沖合いの防波堤整備を引き続き促進し、港湾背後の土地利用や避難計画を踏まえた、ハード対策とソフト対策の連携で津波浸水被害の軽減を図りたい。


 荻津和良議員


 【県道内原塩崎線の整備見通し】

 小野寺土木部長 内原塩崎線の国道6号東側の長岡・若宮間について、まず若宮地区は県道水戸神栖線との交差点から東側約2・2㎞区間で、現道拡幅事業を実施しており、09年度までに、水戸神栖線から通称前原十文字まで約1・5㎞区間の整備が完了。

 残る前原十文字から東側約700m区間は、昨年度、用地の取得が完了したことから、本年度より工事に着手する。

 また、長岡坂下地区は、内原塩崎線のほか県道二路線が食い違って交差をして、見通しが悪い上、幅員が狭く、歩道も無いことから、09年度より、交差点改良事業を実施している。

 これまで約4割の用地を取得し、本年度も引き続き、残る用地の取得に努め、今後、家屋の移転ができ次第、工事に着手する。



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