8月1日付けで国土交通省北陸信越運輸局長に就任した和迩健二・新局長の就任会見が27日、同局で行われた。
和迩局長は現状の課題について「今、世界的に経済情勢は厳しい環境に置かれている。日本で言えば少子高齢化が進展し、産業構造の変化や地球環境対策、エネルギー問題への対応が各レベルで求められている。地域においてもさまざまな課題につながっている」と指摘したうえで、「運輸局の仕事というのは基本的には安全で安心な輸送の確保であるが、現在の情勢下で行うためには地域の関係者と連携して各種取組みを行っていくことが大事」との見解を示した。
具体的な取組みとしては①観光を基礎とした地域活性化②地域公共交通の確保・維持・改善③公共交通機関の安全・安心の確保―の3点を挙げた。
このうち観光面では北陸信越地域は「特に高齢化や人口減少が全国平均以上に進展しているので、観光振興を通じた国内外との交流を拡大していくことが非常に大きな課題」とした。2014年度の開業を目指す北陸新幹線に関しては「新幹線沿線地域における広域観光の推進を民間、自治体とも連携して展開していきたい」と意欲を見せた。
また、公共交通機関について「大規模な災害発生時には旅客輸送の確保や緊急物資の輸送を期待されている」とし、必要な取組みを進める考えを示した。
北陸信越地域へは初の赴任となるが、「これまで近くて遠かったところに来られて、仕事ができることを楽しみにしている」と語った。
【略歴】わに・けんじ
1958年2月生まれ。京都府出身。京都大学大学院工学研究科修了後、82年に運輸省入省。以来、東北運輸局整備部長、近畿運輸局整備部長、国土交通省自動車交通局の技術安全部整備課長、技術企画課長などを歴任し、2011年7月より自動車局技術政策課長を務め、8月1日より現職。